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「問題解決力がない人」が「見当違いな批評家」になってしまうワケ


Photo: Adobe Stock
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「アタマを使え!」という言葉を聞くことがある。だが、「どんな風にアタマを使えばいいのか?」と聞かれたら答えるのは簡単ではないだろう。そこでお薦めしたいのが『新版[図解]問題解決入門』という書籍。「考える」という行為がどんなものなのか、その全体像がわかると読者から強く支持されるロングセラーだ。本連載では、本書のエッセンスをお伝えしていく。

問題解決の「当事者」は誰か?

【例1】銀行の窓口に人々が長い行列をつくっている。あなたがこの銀行の支店長ならば、これを見て問題だと思うか。
【例2】役所の窓口に人々が長い行列をつくっている。あなたが所長ならば、これを見て問題だと思うか。
【例3】病院の待合室に人々が大勢順番を待っている。あなたが病院長ならば、これを見て問題だと思うか。

これらは、人々の行列という同じ現象を扱っています。しかし、同じ現象でも問題になったりならなかったりするのです。

【例1】のケースでは、正解は問題ありとなります。

大勢の客が来ていると思って単純に喜んではいけません。

なぜならば、いつ行っても混雑している銀行では、忙しいときに用が足せないので、客は他行へ鞍替えするのが目に見えているからです。

銀行はどこを利用しても条件はほぼ同じだから、客は時間のかからぬほうを選びます。

しかし、これも銀行がひしめいている都会での話で、近くに銀行がない田舎の場合は、あまり問題にはならないでしょう。

【例2】のケースでは、所長はあまり問題があるとは考えないでしょう。

役所も住民にサービスを提供していますが、なにぶん役所には競争がないので、放っておいても住民が他所へ逃げていくという心配はありません。

とはいうものの、役所もサービスが悪いと、最近は住民が怒ってマスコミに投書したり、議員に文句を言ったりします。

だから、正解は、昔は問題なかったが、これからは問題になるというところです。

【例3】のケースでは、正解は問題なしです。

もし反対に、いつも閑散として患者のいない待合室だったらどうなるでしょうか。この医者はウデが悪いのではないかと不安になるでしょう。

患者が大勢つめかけているということは、その医者が名医であることの証拠なのです。だから問題はないのです。

ただし、病院も競争の時代に入ったのであまり長く待たせない工夫が必要でしょう。

このように、同じ現象であっても、TPOによって、また立場によって、問題になったりならなかったりします。

したがって、問題を考える場合の前提が大切となってきます。

立場によって「対策」「目標」が変わる

英語で立場のことをアイデンティフィケーションと言います。アイデンティティと同類の言葉で、身元確認というほどの意味があります。著者はこれを当事者意識と呼んでいます。

「誰の立場で問題を考えるか」ということは、「問題解決の当事者は誰か」というのと同じです。立場を明確にして考えないと問題はぼけてしまいます。

事例研修会などでよく出合う質問に、「この事例は○○課長の立場で考えよというが、自分はキャリアも考え方もちがう別の人間なのだから無理である」というものがあります。

これに対しては、私は次のように答えることにしています。

「○○課長が他所へ転出して、あなたがその後任になったと仮定すれば、自分の問題として考えられるでしょう」

立場は、対策を考える場合にも重要です。

なぜならば、立場によって、取り得る対策も当然ちがってくるからです。

立場というのは、職制上で考えるならば、職位です。職位には、権限と責任がついて回りますが、立場によって、自ら取り得る対策の範囲も限定されます。

課長よりは部長、部長よりは社長のほうが取り得る対策の範囲は広くなります。

さらに、立場によって目標がちがってきます。「問題は目標と現状とのギャップ」ですから、目標がちがえば、当然のこと、問題もちがったものになります。

営業課長の基本目標は「売上を伸ばす」ことだと考えれば、彼の主要な問題は「売上予算の未達」であり、「売上の伸びなやみ」です。

製造課長の基本目標は、一定の品質とコストという条件の下で「生産量を確保する」ことです。したがって、彼の主要な問題は「生産計画の未達」であり、「不良品の発生」です。

安全課長の基本目標は「安全の確保(無事故)」です。したがって、彼の主要な問題は、事故の発生による「安全記録の挫折」です。

実際のケースでは、さまざまな具体的ターゲットとこれらの基本目標との関連を正しくとらえる必要がありますが、いずれにせよ、立場を明らかにすることはきわめて重要です。

もし立場を無視すれば、どんな事態になるでしょうか。

「△△課長は管理職としてなっていない」
「××君は商社マンとして失格である」

などとまったく無責任な評論家的なとらえ方になってしまいます。

これではおよそ問題解決にはつながらないでしょう。

「自分がこの立場ならこうする」というものがあってこそ、問題解決が生きてくるのです。

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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