SUVのあるべき姿
ジープから登場した新型ミドルクラスSUV「コマンダー」。取り回しのしやすいサイズで3列7人乗りを実現したニューモデルは、おっとりとしたドライブフィールと使いでのあるユーティリティーを併せ持つ、“SUVの本来の姿”を具現したモデルとなっていた。
いうなれば「コンパス」のロングバージョン
リーマンショックを機にクライスラーグループとフィアットグループとの距離が急速に縮まり、セルジオ・マルキオンネ氏のリーダーシップのもと、ついに両社が合併へと至ったのが2014年のことだ。
その報を待っていたかのように相次いで登場したのが、「ジープ・レネゲード」と「フィアット500X」。両ブランドのコンパクトSUVには、フィアット側が以前からの資産をベースに開発を主導し、クライスラーのジープブランドが四駆性能にまつわるところをプロデュースした新しいプラットフォーム「スモールワイド4×4アーキテクチャー」が採用された。両社のシナジーがもたらした初めての大きな成果物といえるだろう。
このプラットフォームはその後、2016年に「ジープ・コンパス」に、そして2022年に発表された「アルファ・ロメオ・トナーレ」にも採用と、順調に勢力を広げている。このコマンダーもまた然(しか)り。同じプラットフォームを採用した3列シート・7人乗りのSUVだ。ジープでコマンダーといえば、2005年のニューヨークショーで発表されたモデルを思い出すが、そちらは「グランドチェロキー」のプラットフォームをもとにしたエンジン縦置きFRベースの4WD車で、3列7人乗りという以外に機能的なところでの共通項はない。
既視感のある顔立ちにも表れているように、新型コマンダーの骨格的なベースとなっているのはコンパスだ。そのBピラーから後ろを延長し、3列目のシートを荷室とうまくバランスさせている。その伸ばししろは全長で370mm、ホイールベースで145mmだ。ほかにも全幅が50mm異なるほか前後デザインも違えるなど、細かなつくり分けがなされている。ちなみに生産地はコンパスと同じインドとなる。...