格別なるライドフィール
最高出力190PSの100%電動パワートレインを搭載する、前輪駆動の「メルセデス・ベンツEQB250」に試乗。コンパクトセグメント唯一となる3列シート7人乗りの電動SUVは、想像以上にパワフルで、意外なほどに上品な仕上がりだった。
貴重な7人乗りの電気自動車
コンパクトSUV「GLB」と骨格や内外装デザインなどの基本設計を共有するEQBは、シートレイアウトも同じ3列7人乗りである。床下に駆動バッテリーを抱えるためにフロアが高くてセカンドシートの着座姿勢にも影響している点は、同じ主要メカニズムを使う「EQA」と同様だ。また、GLBのサードシートももともと“身長168cmまで”と注意書きされており、こうした割り切りはEQB(こちらは身長165cmまで)でも変わりない。それでも、7人乗りのバッテリー電気自動車(BEV)は、その存在自体が貴重である。
それにしても、背高で重くなりがちなEQBが、EQAと同じ66.5kWhの電池を使いながら航続距離が大きく伸ばされていたことに、BEVの日進月歩ぶりを痛感する。今回の試乗車は日本で販売されるEQAと同じ250を名乗る2WD=FFだが、発売当時のEQA250の一充電航続距離(WLTCモード)が422kmだったのに対して、このEQB250では1.2倍以上となる520kmをうたう。
もっとも、EQA250も最新モデルのそれは555kmまで伸びている。EQB250と同じく、非同期の誘導モーターから永久磁石同期モーター(PMモーター)に換装したことが、大幅に航続距離を伸ばした最大の理由という。
誘導モーターはローターに永久磁石を使わないのが特徴で、いわゆるレアアースを必要としない。そのために調達の政治的リスクが小さいことに加えて、そもそもコストが安い。また、高回転化しやすいので高速性能は高い。さらに、停止中の引きずり抵抗が小さいのも利点で、オンデマンド型の電動4WDには適する。実際、EQBでも4WDのフロントには誘導モーターを使っている。
ただ、絶対的にはPMモーターのほうがコンパクトで高出力化しやすく効率も高いので、昨今のBEVはやはりPMモーターが主流である。ちなみに、かつて誘導モーターを好んでいたテスラも、最新の「モデル3」や「モデルY」ではメインとなるリアにPMモーターを使うようになった。...