すべての席が特等席
「メルセデス・ベンツSクラス」の最上級グレード「S580 4MATICロング」が上陸。48Vマイルドハイブリッドが組み込まれたV8ツインターボや、路面状況を先読みし1000分の1秒単位で姿勢を制御するハイテクシャシーの仕上がりを、ロングドライブに連れ出し確かめた。
シュッとしたインテリア
2021年の秋にメルセデス・ベンツの新型「Cクラス」に試乗した時に、「もうSクラスはなくてもいいのではないか」と思った。Cクラスだって十分以上に快適だし、日本で乗るならCクラスぐらいのサイズのほうが取り回しもいい。カッコだって、CとSで大差ない。
でも、Sクラスのラインナップに新たに加わった4リッターV8ツインターボエンジン搭載のS580 4MATICロングに試乗して、参りました。Sクラスはいらないなんて、勘違いも甚だしかった。
どこに参ったのかを記す前に、現行Sクラスのラインナップを整理しておきたい。
2021年の年初に、8年ぶりのフルモデルチェンジを受けた新型Sクラスのデリバリーが始まった。パワートレインは3リッター直6ディーゼルターボと、3リッター直6ガソリンターボにモーター兼ジェネレーター(ISG)を組み合わせたマイルドハイブリッドの2種。前者が「S400d」、後者が「S500」というグレード名で、それぞれに標準仕様のほかにロングホイールベース仕様の「ロング」が用意される。驚いたのは全モデルが4輪駆動の4MATICだったことで、今回試乗したS580も4輪駆動となる。
内外装のデザインについては新型Sクラスが登場した時に語り尽くされた感があるので繰り返したくはないけれど、ふたつだけ。
鋭利なキャラクターラインやパキパキの面構成で主張するのではなく、シンプルに美しさを表現するメルセデスのデザイン手法「Sensual Purity(官能的純粋)」は、Sクラスでこそ魅力を発揮していると感じる。ゆったりとした面の抑揚で優雅さを表現するやり方なので、やはりキャンバスはデカいほうが描きやすいのだろう。
また、メーターパネルとタッチスクリーンの2つの液晶パネルを主役にしたインテリアもシンプルかつ上品にまとまっており、エクステリアの世界観とシームレスにつながっている。
エバっている人ではなくシュッとしている人こそいまの時代はかっこいい、というのがメルセデス・ベンツのメッセージか、と感じながら、パワートレインを起動する。...