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(更新: オリコンニュース

【野村不動産】2025年に幕を開ける「BLUE FRONT SHIBAURA」の真意は?  “水と緑と商業施設”の融合で「何もしない」という最良の体験を提供

見直されるパブリックスペースの重要度、新たに芝浦で打ち出す“何もしない空間”の価値とは?

 また、「芝浦地区に来ると何が楽しいと思えるのか。表参道ヒルズや六本木ヒルズなどは目的がわかりやすいが、この芝浦地区の魅力が曖昧に感じる」というストレートな意見も飛んだ。たとえば表参道ヒルズや六本木ヒルズなら、ブランドショップでの買い物やレストランでの豪華な食事、最先端のカルチャーを感じながら、この時期ならではのイルミネーションを楽しむこともできる。では、「BLUE FRONT SHIBAURA」は何を“テーマ”とし、人々が何を求めて集まることを想定しているのだろうか。

 ここで話題に上ったのは、「都市開発にテーマは必要か?」ということだった。上記のようなヒルズ系はテーマがわかりやすいが画一的でもあり、場所によっては「客が少ない、閑散としている」などと報道される場所もある。そこで高野氏が提示したのが、これまでの都市開発にない“価値”の考え方だった。

 「都市景観として、この地域はかなり素晴らしい場所だと思っている。水辺が好きな人は多く、ただそこに佇んでいるだけで心地よく感じる。そこで仕事をしたい、安らぎたい、集まりたい…それだけでも価値がある」。内田氏も、眼前に広がる空と海、ツインタワーを囲む運河と緑地というロケーションが身近にあるこの地域について「海の景観が人にどんな効果をもたらすか、実際に作業をしてもらい検証をしたところ、脳の活動や自律神経の活動に効果があることがわかった。やはり、水辺には人間にとって価値があると感じた」と語る。

 人々にとっての価値ある場所とは、ゴージャスなホテルか、ブランドショップか、レストランか。実はそうしたものはすでに飽和状態にあり、高野氏は「日本の都市開発でもパブリックスペースの重要性、安らげる空間の重要性が見直されている。だが、そういった場所は水辺にはほとんどない」と現状を明かす。都市が抱えるこのような課題に対し、今回のプロジェクトは計画時点からそうした価値を重視。「BLUE FRONT SHIBAURA」は、何かテーマ性を伝えるものではなく、水辺というメリットを最大限に生かし、人に安らぎを与えることで優雅なひと時を感じてもらうことが何よりも最大の売りだという。

 有効活用できる土地が極端に少ない日本では、「その場の用途をハッキリさせる」ことが通念だった。これまでの再開発においては、ユーザーへの“何もしない場所”の提供は否定的だった風潮すらある。そんな中で生まれた新たな潮流として、水辺を生かした再開発における“何もしない空間”の提供。これは現代に生きる我々日本人にとっては、最も貴重なものなのかも知れない。

(文:磯部正和)

■BLUE FRONT SHIBAURA(外部サイト) 

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