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【買われた男】地上波初の女性用風俗ドラマ、タブー視乗り越え社長に直談判「“性の抑圧”に苦しむ女性はたくさんいる」
地上波ドラマで初、“女性用風俗”扱う内容がSNSでも話題に
近年、マンガでは女性用風俗をテーマにした作品が増えており、単なるエロを超えて支持されている作品も多い。4月17日にスタートしたドラマ『買われた男』も同名コミック(『買われた男〜女性限定快感セラピスト〜』(C) 三並央実/芹沢由紀子/ソルマーレ編集部・コミックシーモアのオリジナルコミック)が原作で、口コミには登場人物に深い共感を寄せるコメントが並ぶ。
一方、地上波ドラマで女性用風俗を扱うのは、『買われた男』が初。ゆえに反響は大きく、コミック購買もドラマ化発表の前後7日間比較で約131.6倍と大きく伸長。初回放送後のXでは、「女性の性とメンタルの悩みが丁寧に描かれた良作」「セクシーな面に目が行きがちだけど、悩みや苦しみを抱える人とそれに真摯に向き合ってくれる人。そんな人間と人間の物語だった」など、さまざまな意見が飛び交った。
中でも目立ったのが「映像がきれい」という評価だ。これらの反響を受けて、佐々木美優プロデューサーは、「まずはホッとしています。局側からは『くれぐれも下品にならないように』と釘を刺されていたので」と振り返る。
女性が性を口にすると「はしたない」? 社長に直談判したプロデューサー
「そもそも『女性の性はなぜタブー視されるのか?』という素朴な疑問がありました。不倫ドラマの会議では性的なワードも飛び交うのですが、女性スタッフが口にすると『はしたない』みたいな空気になったり…。今回も女性用風俗というテーマを企画に上げたところ、男性スタッフから『ヨメが通っていたら立ち直れない』という声もありました。地上波テレビ局では比較的、“攻めた局”と言われている弊社ですらそうならば、“性の抑圧”に苦しんでいる女性はたくさんいるのでは? そう考えて、どうしてもこのテーマに取り組んでみたかったんです」
“攻めた局”でもあった懸念の声、原作を読んで「男性スタッフの認識が大きく変わった」
「企画を上げた段階では、社内から『風俗を扱うの?』といった懸念の声もありましたが、原作を読んでもらって評価が一変しました。特に男性スタッフは、『男性用風俗は性的な快楽を満たすことに重きが置かれるけど、女性は精神的な癒しを求めていることがよくわかった。しかも女性が心の痛みを抱える原因は多様。これはいいヒューマンドラマの題材になりそうだ』と、認識が大きく変わったようです」
リアルを追求するべく、女性用風俗店への取材も重ねた。
「ある程度の事前情報は入れていたものの、実際に施術をデモンストレーションで見せていただいた時は衝撃的でした。セラピストさんの立ち振る舞いからお客さまへの接し方まで、『これは女性が受けられる最上級のホスピタリティなのでは…』と(笑)。ただ本ドラマは“女性向けアダルトビデオ風”にはならないように意識しています。テーマ的にエロティックな描写は必須なので、地上波のギリギリを攻めつつ、でも描きたいのは『イケメンのセラピストに癒されて最高!』といったことではありません。施術によって女性の心情がどのように移ろっていくのか、役者さんたちの繊細な演技にはとても助けられています」