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【医師に聞く】“薄毛”で悩む高校生…10代で発症も珍しくない「若年性AGA」、美意識や認知の変化で相談が増加

 成人男性に多く見られる脱毛症の一種で、薄毛や抜け毛を引き起こすAGA。昨今では、高校生をはじめとした10代後半〜20代前半でも、AGAに悩む人が多くなっているという。“若ハゲ”ともいわれるこの若年性男性型脱毛症は、なぜ起こるのか。また、若年層だからこそ気になる副作用にはどう対処すればいいのか。多くの症例を診てきた宋 有奈先生(『クリニックフォア』新橋院(外部サイト))に話を聞いた。

AGAの約10%は10代で発症…美意識の変化か? 親と来院するケースも増加

 「最近では、高校生ぐらいの男性が親御さんと一緒に、AGAのお悩みで相談に来ることも珍しくなくなりました。おそらく、男性の美意識の変化も関係しているのかもしれません。それに、近年では『AGAには治療法がある』ということも一般に知られるようになり、以前よりは恥ずかしさもなくなったのでしょう。ニキビができたら皮膚科に行くのと同じように、治療するハードルは下がっているように思います」(宋先生/以下同)

 若年性AGAは、言葉の通り若い年代、10代後半から20代前半の人に発症する脱毛症のこと。そもそも一般のAGAとは、思春期以降に始まり年齢に応じて徐々に進行する脱毛症のことだが、日本人男性は20代後半から30代にかけて目立ってくる人が多い。さらに徐々に進行し、40代以降にかけて徐々に進行していくとされている。

 だがAGA発症者の割合を見ると、約10%は10代で発症し始めており、高校生のAGAも決して珍しいというわけではない。

 「来院する高校生の患者さんは、周囲から指摘されたということではなく、自分で気づいたり、両親や親族を見て遺伝を気にする方が多くいます。基本的に、若く発症しても年を経て発症しても、早いか遅いかの差だけ。発症のメカニズムは、一般のAGAと同じです。細くて短い抜け毛が多かったり、生え際が後退するなどしてきたら、若年性AGAを疑ったほうがいいかもしれません」

なぜ若くして発症? 遺伝はあれどもいまだ原因は不明

 AGA発症の要因は、男性ホルモン(テストステロン)と5αリダクターゼという酵素が結びつくことで生成される、DHT(ジヒドロテストステロン)という物質によるもの。DHTが髪の毛の毛根にある毛乳頭の受容体に結合すると、髪の毛の成長期が短くなり、成長サイクルが通常よりも短縮され、「細く、短く、抜けやすい」髪の毛となる。そのため、成長期でテストステロンの分泌量が増え始める高校生の時期から、AGAを引き起こすこともおかしくはないということだ。

 「とはいえ、実は若くしてAGAを発症する理由については、まだ原因不明なんです。遺伝的なものはあるかもしれませんが…。ほかに考えられる要因は、ストレス、環境の変化などで起こるホルモンバランスの崩れ。女性でも、女性ホルモンの乱れなどから20代前半で発症する方がいます。特に産後は抜け毛が増えますが、それが止まらないとなるとやはり女性AGAの可能性を考えたほうが良さそうです」

“毛根”が残っていれば早期治療で改善も、「一度始まると自然に治ることはありません」

 思春期はホルモンバランスが崩れやすく、皮脂の分泌量も過剰となり頭皮がべたつきやすくなる。皮脂が毛穴をふさいでしまうと、細く抜けやすい毛が生えてくるようになる。シャンプーなどで「爪を立てて洗うのではなく、指の腹でマッサージするようにして洗う」というのが頭皮のケアとしては重要とのこと。

 また、ストレスや睡眠不足による頭皮の緊張、血行不良も薄毛の原因に。髪の毛の成長に必要な栄養は、頭皮の毛細血管から血液を通して髪の毛に送られる。そのため、血行不良を引き起こすと栄養が行きわたらなくなり、髪の毛がやせ細って抜けやすくなることもあるそうだ。

 「40〜50代などの脱毛症と比べ、若年性の場合は早期に治療を開始することで薄毛を食い止めることができます。でも、そのためには“毛根”が残っていることが大前提。保険適用外ではありますが、気にしているようであれば早めに医師に相談し、もしAGAであれば薬を服用されることをお勧めします。若年性も一般のAGAと同じで、一度始まると自然に治ることはありません」

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