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棋士歴20年、カツラ芸10年…将棋界盛り上げる佐藤紳哉七段、「藤井棋聖に勝ってカツラを取りたい」
『バイキング』でも話題、カツラ外しに一部で批判も「坂上さんには感謝しかない!」
──先日も『バイキング』でのカツラ芸が話題となりましたね。反響を受けて感じたことは?
佐藤紳哉 カツラ外しはこれまで100回以上こなしていますが、ネットやSNSでは「坂上さんが雑に振ったから、変な空気になった」といった批判の流れが起きてしまいました。これは本当に申し訳ない。カツラで出演して、カツラを外すことは僕の一つの“売り”。坂上さんはそれをわかって、披露する舞台を与えてくれたわけですから、感謝しかないんですよ。つまり、僕がもっと、皆が沸くようなパフォーマンスができれば一番いいんです。
――…カツラ芸を磨いていきたいと?
佐藤紳哉 カツラの取り方は、とても奥が深い世界。場面、環境、取る角度、タイミング、同じことなどありえない。一度うまく行ったからと行って、次もうまく行くとは限らない。僕は棋士歴20年、カツラ芸10年。カツラ外しも10年間、ひたすら研鑽を積んでいるんです。将棋と同じく、なかなか成長するのが難しい世界ですね。
薄くなり始めた20代前半は悩みの時期、29歳で「個性をプラスに」
佐藤紳哉 やっぱり格好いいのは、僕は棋士なので、勝ちが見えた時にパッと(カツラを外す)。これはシドニー五輪で高橋尚子選手が最後にサングラスを外したあの勝利宣言にちなみ、高橋尚子スタイルと呼んでいます。
――カツラ外しを始めたのは?
佐藤紳哉 初めてカツラをかぶって対局したのが、「豊島、強いよね?」のインタビュー時、豊島名人(当時六段)戦(2012年)です。その時は、NHKということで自主規制でカツラは外さなかったのですが…。それ以前にも、プライベートで遊びでカツラをかぶったりしていたんです。ややチャラい感じのカツラをかぶると、印象がこんなに変わるんだなと。そこで「これを外したらもっと面白いんじゃないか」と思い至ったんです。それで、女性向けの将棋普及イベントの時、不意に外して見せてみたんですね。すると、女性から悲鳴が上がって。
――その悲鳴を聞いてどう感じたのですか。
佐藤紳哉 悪くないなと思いました。予想を超えるリアクションが来たなと。
――なるほど。ちなみに毛髪が薄くなり始めたのはいつ頃?
佐藤紳哉 20歳ではフサフサだったんですよ。ですがそこから少しずつ薄くなっていき、23〜25歳の間は悩みましたし、辛かったですね。でも26歳の頃、開き直って髪の毛を短く刈り揃えるようにしました。これも“個性”だと感じられるようになったのです。そして、その個性をプラスに転じようとし始めたのが29歳。カツラをかぶったり取ったりするのが面白いと話題になるなら、これは“武器”ですから。だって、ハゲてないとできないことですよね。