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妻の大病、新築マイホーム断念…考え直した“家族のお金”と“車”問題「ローンのために楽しいことを諦めるのは違う」

 結婚して子どもが生まれて、家を建てる(買う)。一国一城の主となって、家族を養っていく父という構図は、かつての日本では幸せの象徴とされてきた。千葉県在住の南條さんは、そんな“男の夢”ともいえる「新築マイホーム」を、さまざまな理由から断念。妻の大病も発覚するが、家族4人これ以上にないほど楽しく暮らしているという。幸せの価値観が多様化するなか、南條さん一家がつかんだ幸せのかたちとは?

なぜ新築マイホームを諦めたのか?「子どもたちにできるだけいろんな景色を見せたい」

 「新築マイホーム」を諦めた南條さん一家だが、最初からそうだったわけではない。「2人で、家の展示場を見に行ったこともありました」(妻)と話す通り、家をどうするか真剣に考えた時期もあり、その上で「買わない」という判断を下した。その背景には夫妻の価値観があった。

僕自身、住宅関係の現場仕事をやっているんですけど家を見過ぎていて、“新築一戸建てのマイホーム”が夢、という感じでもなく、そこまで憧れなかったんですよね。そもそも、平民の僕らが頑張ってローンを組んで身の丈に合わない良い家を買い、そのために諦めなければならない選択肢が増えるのはなんか違うよね、と。

お金が潤沢にあればいいんですけど、そうではないので(笑)。お金をかける比重について、どこに重きを置くか2人でよく考えました。家を買っても、子どももいずれ出ていくだろうし。だったら家よりも、子どもたちと楽しい思い出を作って行こうと。家のローンを抱えたら、アクティブに動けなくなるよねって。
 私も夫も、子どものころからキャンプや車中泊が当たり前の家庭で育ってきて、それがすごく楽しかったんです。親にはすごく感謝しているし、子どもが生まれたらそういう風にしてあげたいという話は2人でよくしていました。

いつでもどこへでも行けるような自分たちらしい自由気ままなライフスタイルで、子どもたちにも出来るだけたくさんの経験やいろいろな景色も見せてあげたい。そこを大切にすることにしました。

妻の大病がターニングポイント「老後に取っておくではなく、今楽しいことをやっていこう」

 この決断を下す要因になったのは、夫が家族で楽しい思い出をたくさん作るのに“理想的な車”に出会ったことが大きい。それまで、妻の実家から譲り受けた車で、夫婦でさまざまなところへ出かけていたが、2人の子どもに恵まれたことで手狭になり、また走行距離がかさんでトラブルが増え始めたことも買い替えを考え始める。

日産の『NV200バネット』をベースに、「GORDON MILLER MOTORS」が内外装のカスタムを手掛けた『GMLVAN C-01』という車なんですけど、武骨なデザインと、内装の木の感じに私も妻も一目惚れ。キャンプ用具やベビーカーなど、荷物がたくさん詰めることもよかったです。ただ金額が金額(車両本体価格440万円)だったので、『欲しいな』と思いながらも現実的ではないと思っていました。

夫はあんまり物欲がない方で、穴空いたTシャツとかも平気で着たり、「好きな服を買っていいよ」って言っても1900円のTシャツを選ぶような人なんです。そんな人が、「これがいい」って一目惚れするくらいの車で。私の好みにもドンピシャでした。

 とはいえ、金額が金額だけになかなか手が出せるものではない。夫婦は、欲しいと思いながらも、動画を見たり、店舗に展示車を見に行ったり、試乗会に参加して気を紛らわせる日々を送った。1年ほどが経過したそんなある日、妻は驚きの事実を告げられる。

長男を妊娠したときに大きな病気が見つかって。出産後に手術したりしたんです。それまで当たり前のように人生が続いていくものだと思っていたなかで、病気をきっかけに「死」を目の当たりにして、いろいろなことを考えるきっかけになったんです。まさに自分の人生のなかのターニングポイントになって。
 よく「老後に楽しみを取っておく」というお話をされる方もいらっしゃると思うんですけど、そうではなく「今楽しいことをやっていこう」と。今も病院に定期的に通っていて、一生付き合わなければならないものなんですけど、楽しいことがあると「私は病気だったんだ」って忘れられるというか。家族での時間をより大切にしたいと思ったんです。

 ちょうどマイホームをどうするかと考えた時期とも重なり、夫妻は先述の通り、「マイホーム」よりも「理想の車での楽しい経験・思い出」を選んだ。

車だけじゃない付加価値「あのときの選択に間違いはなかった」

 納車から1年半ほどが経過した現在、南條夫妻は「あのときの選択に間違いはなかった」と胸を張る。

ぶっちゃけ、最初は「この金額か…、高いんじゃないか」って思っていました(笑)。ただ、使っていくうちに全然その価値はあると感じています。荷物もたくさんはいるし、車中泊できるサイズなんですけど取り回しもよくて、送り迎えや買い物にも使える。あと、気軽にフラッと出かけられるんですよね。今住んでいるのが千葉なんですけど、仕事終わりで家族を拾って富士山の方まで行ったり。途中、銭湯あったら入って、眠くなったら、車内で寝たらええやんって(笑)。「マイホーム<車」という選択は間違いなかったと思います。車というか、車で作る家族4人での楽しい体験と思い出ですね。

車本体だけじゃなくて、この車をきっかけにたくさんの人とコミュニティでつながることができたし、そういうことも含めて、いい選択だったなと思います。
 今、3歳の息子がすごくたくさんご飯を食べるんですよ。「早く大人になりたい」って。なんでって聞くと「免許取って早くこの車を運転したい」って(笑)。私たちも、息子に受け継げるくらい大事に乗っていきたいと思っています。

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