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乱立するハウスクリーニング業者どう選ぶ? エアコンや洗濯機の故障につながることも「安すぎるのは危険」
人気のエアコンクリーニング、分解しても戻せない、故障させてしまうことも
「たとえば、お年寄りから一人暮らしの学生まで、幅広い世代からもっとも需要が高いのがエアコンクリーニング。ですが、安い業者の中には知識や経験が不足していて、分解すべき箇所をしっかり分解していなくて洗浄が不十分だったり、故障させてしまっても保険に入っていなかったりして対応が悪いなどのリスクもあります」(尾崎氏/以下同)
なぜ、分解しない業者がいるのか。その理由のひとつには、近年、エアコンの構造が非常に複雑になっているという現状がある。
「今から10年ほど前、『エアコンにカビが生える』ということが情報として出始め、メディアでも盛んに取り上げられるようになりました。そのため各家電メーカーは、なるべくカビが生えないようにするためのフィルター掃除機能など、さまざまな技術を搭載するように。その結果、エアコンが複雑化して分解するのが大変になり、分解しても元通りに戻せなかったり、故障させてしまったりということが起こりやすくなってしまいました」
低価格にはこんな裏側が…、専門的な知識や技術が必要な個所も
「時間短縮のために、素材に影響があるほど強めの洗剤を使ったり、分解すべき箇所を分解しないで作業したり、汚れが8割くらい取れたところでやめてしまうなどしている業者もあります。値段の差には理由があるということです」
ハウスクリーニング業界には国家資格があるが、取得していなくても開業は可能。事務所や店舗を構える必要もなく一人でもできることから、手軽に始められる。もちろん、低価格で請け負う個人や小規模事業者のサービスがすべて悪いというわけではない。尾崎氏も、「安いことで、これまでハウスクリーニングなど無縁だと思っていた人たちが利用しやすくなるのは業界にとっても良いこと」と語る。ただし、それは頼む箇所によるということ。先のエアコンのように、専門的な知識が必要な場合は利用者の“見極める目”が必要ということだ。
「個人でやっている方の中にも、高い技術力を持つ方も当然たくさんいらっしゃいますが、そうではない方がいるのも事実です。専門的な知識が必要な物や箇所のクリーニングは、安さだけを基準で考えないほうがいいでしょう」
もちろん、そうした知識と高い技術力を保つためには、かなりの労力や資金力が必要であり、小規模事業者にはなかなか難しいことかもしれない。
「毎年何十という新機種が発売されますが、すべて作りが違い、分解の仕方も異なります。おそうじ本舗では全製品を購入し、技術者が完全分解する方法を分析しているので、研究所はまるで家電量販店のような様相です(笑)。また、スタッフ全員がそれを共有しないと意味がないので、店舗共有アプリに掲載して全員が把握できるようにしています。素材を傷めないための洗剤や掃除道具の独自開発も大切ですね」