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シングルマザーが“商用バン”を愛車にした理由…思春期息子とのコミュニケーションツールに「この車があるから一緒に出掛けてくれている」

 思春期は、意味もなく親に反抗したり、攻撃的な態度を取ってしまう「親離れ」の時期。中学生になると、それまでよりもコミュニティが外に広がり、親と一緒に行動したり、出掛ける機会もグッと減るのが一般的だろう。神奈川県在住の金谷さんは、中学生の息子を持つシングルマザー。だが今も親子仲良く、週末になると出掛け、一緒に過ごす時間を作っている。この良好な親子関係を根底には、愛車の存在があるという。金谷さん親子が、“商用バン”を愛車に選んだ理由とは?

息子と旅をする理由「“画面上”ではなく、実際に自然と触れ合い、さまざまなことを体験してほしい」

 もともと車には興味がなく、小回りが利き、頑丈という理由で選んだコンパクトカーに「必要に迫られて」乗っていたという金谷さん。ある年の年末、実家の関西に車で帰ったことがすべての始まりだった。

「これまで新幹線で行っていたんですが、その年は車で帰ったんです。関西から自宅に帰るとき、日程的に余裕を持たせて、その日その日で目的地を決めて、車中泊しながらゆっくり帰ったんです。小学生の息子が釣りやパルクールをやっているので、天候を見ながら海に行ったり、設備がある施設にいったり。それがすごい楽しかったんです」

 もともと旅が好きで日本全国津々浦々、さまざまなところに行っていたという金谷さん親子。そこには、母のこんな想いがあった。

「息子が幼いころから、極力自然に触れあってほしい、さまざまなことを体験してほしいという想いがあって。今ってネット社会なので、“画面上”でいろいろ見れたり調べたりできるけど、実際に見てみると全然違う。だから1個でも多く見せてあげたいし、五感で感じてほしいと思っていて。子育てをする上で、決めていたことでした」

 それまで車でも出かけていたが、長距離の移動には飛行機や電車、バスなどを利用。だが、公共交通機関は当然、時間が決められており、乗り継ぎなども考える計画性が必要になる。金谷さん親子はあの車中泊体験から、思い立って行動できる車に魅力を感じていた。

「あの“思い立っての車中泊体験”の時に、朝焼けが見れたんですよね。公共機関での移動だと、なかなか見られない。あと、車なら犬も一緒に連れていける。などいろいろ考えたときに、車で出かけるのがいいなと思えたんです。ただ、車自体があまり大きくなかったので、隣や後ろで寝ている息子も窮屈でしんどそうで。なので目的地を決めずに、移動しながら、旅(車中泊)ができる車(の購入)を本気で考え始めました。今考えると、あの時なんで車で出かけたのか、不思議なんですよね(笑)」

13歳にしてすっかり車のオーナー気分「息子に運転してもらっていつまでも旅したい」

 神奈川の自宅に戻った後、息子が車中泊のできる車のリサーチを開始。そんななかある「キャンピングカーショー」で親子の心をわしづかみにしたのが、帰りがけに見つけた日産の商用バン『NV200バネット』をベースに、「GORDON MILLER MOTORS」が内外装のカスタムを手掛けた『GMLVAN C-01』。内装にアカシアの天然木を配し、テーブルを備えた車に、親子はひとめぼれした。だが車両本体価格が400万円以上もすることもあり、「買うならこれかな」と、母は一度冷静になろうとした。一方で、ヒートアップしたのは息子だった。

「息子は、おねだりしているモードの『これいいなー』という顔をしていましたし、『この車にしたらさ…』ってプレゼンも受けました(笑)。
 あの車中泊体験から、バンライフに舵を切ろうと思ったとき、正直、あんまりいいなと思える市販の車がなかったんですね。だから、自分たちで作ろうかとも考えました。ゼロから作るとなったとき、自分たちで計測して板をはめてとかいろいろ考えたら、この車にした方がいいんじゃないかって…、息子に言われました(笑)」

 息子の熱い思いとともに考えたのは、これから思春期に突入し、親離れの時期になること。一緒にいろいろなところに出かけたいと願う母の思いに反し、今年中学生になった息子は反発するのではないかという懸念も当然あった。

「そのあたりについては、めっちゃ考えましたし、本人とめっちゃ話し合いました。『あなたは気付いていないかもしれないけど、親離れと呼ばれる時期がきっとくる。となると、好き嫌いは別としても、親と距離があく。そう考えたらこの車を買っても乗らなくなるんじゃない?』という話し合いをしたんですね。当然、本人は体験してないのでわからない部分はあるとは思うんですけど『僕はそんなことない』と言っていました」

 400万円以上する“高い買い物”だったが購入を決め、昨年8月の納車から約1年半で、18,000キロを走るなどフル活用。現在、親子の時間を過ごすコミュニケーションツールとして大活躍している。

「楽しいですね、毎週末。正直、3年とか5年前に出会えていたら、もっと一緒に過ごせてよかったなと思いました。今年中学生になって、部活だなんだで忙しくなって、一緒に過ごせる時間も減ってきているのは事実。そのなかでも週末は一緒に出掛けたり、遠出が難しくても、車で海に行ってランチをしたりとかできています。車が近くにあることで思い立ってすぐ移動できるし、移動手段だけでなく、空間として使えているのが大きいですね。年齢的にはもちろん『親離れ』の時期ですし、そうなることも成長なので覚悟しているんですけど、この車があるからまだ一緒に出掛けてくれているという感じですね」

 現在13歳の息子は、すっかりこの車の“オーナー”気分だという。

「5年後、18歳になって免許を取るのが楽しみみたいです。免許取ったときに、この車をどうカスタムしようかとか、犬と一緒にキャンプに行く計画を練ったり、いろいろ妄想しているみたいです。すっかり愛車の感覚ですね。5年後は息子に運転してもらって、私が後ろでゆっくりできるかな(笑)。本音を言えば、いつまでもどんなかたちでも息子と旅をしたいですね」

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