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【2023年 年間本ランキング】「19×19まで暗算できる本」が1位獲得、AIブームで問われる人の“思考力”

クレジット:小杉拓也 著『小学生がたった1日で 19×19までかんぺきに暗算できる本』 ダイヤモンド社 刊/MEGUMI著 『キレイはこれでつくれます』 ダイヤモンド社刊/『WBC2023 メモリアルフォトブック』(C)『WBC2023 メモリアルフォトブック』(世界文化社 刊)

クレジット:小杉拓也 著『小学生がたった1日で 19×19までかんぺきに暗算できる本』 (ダイヤモンド社 刊)/MEGUMI著 『キレイはこれでつくれます』 (ダイヤモンド社刊)/(C)『WBC2023 メモリアルフォトブック』(世界文化社 刊)

 本日11月30日に発表された『第16回オリコン年間“本”ランキング2023』では、一般書籍部門にあたるBOOKランキングで小杉拓也氏の『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』が1位に。2位には児童書、鈴木のりたけ氏の『大ピンチずかん』がランクインした。今年のトレンドのひとつに“ChatGPT”のヒットがあり、AIを使うからこそ人の思考力が問われる局面も。教育関連の書籍が上位に名を連ねた背景、今回の結果から見えてきたことを考察したい。

“教育”ジャンルが伸長 「19×19」の暗算本が1位で児童書が2位に

 小杉拓也氏の『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』が、期間内売上46.8万部で 1位を獲得。本作は東大卒でプロ算数講師である著者が、11×11〜19×19を暗算できる「おみやげ算」の理論を紹介、演習までできる1冊だ。子どもに教えられるよう作られているが、親世代やシニア世代が計算力や思考力を鍛えるため購入するという声も。脳トレ本としてだけではなく、習得した計算法を孫に教えるコミュニケーションとしての需要もつかんでいたことが、ヒットにつながったと言える。

 2位を獲得したのは、鈴木のりたけ氏の『大ピンチずかん』。期間内売上42.8万部を記録し、ジャンル別ランキングの「児童書」では見事1位に輝いた。子どもが出会う世の中のさまざまな“大ピンチ”を紹介した1冊で、その対処法や似ている事例など、あらゆる方向から大ピンチを解き明かした、ユーモアあふれる作品。実際に追い込まれる局面となった時にも、「自分ならこう考える」「こんな考え方があった」と思考の多面性やアイデアの広げ方まで考えられる可能性を秘めている。

 この2作品のヒットから見えてくるのは、より自らの力で考えることを欲しているのではないかということだ。今年のトレンドとして生成AIブームが起こり、ChatGPTを始めとした様々なテクノロジーが世を席巻した。人の作業負荷を軽減できるイメージがつき、様々な職業やサービスがAIにとってかわられるのではという議論も活発化。よりAIを身近に感じるようになった人も多かったのではないか。

 一方で、AIを上手に活用していくためには、計画を緻密に練ったり、独創的なアイデアを肉付けしたり、成果物に対する最終的な判断を下したり、人の思考力や判断力がより一層問われていく流れもある。迷ったときや悩んだときに、最終的に自分がどう考えて行動に移せる人であるのか。土台となる”人の思考”を学びたい、学ばせたい気持ちの表れとも言えるかもしれない。

Netflixでの実写版公開も話題に 『ONE PIECE』が自己記録更新でコミック部門を席巻

 コミック部門では、尾田栄一郎氏の人気コミック『ONE PIECE』105巻が、期間内売上191.2万部で、上半期に続き1位を獲得した。

 これで、2008年度より発表を開始した「オリコン年間コミックランキング」において、『ONE PIECE』シリーズは、通算13作、および通算13年の1位獲得となった。さらに、歴代1位の記録を持つ「同一シリーズの年間コミックランキング通算1位獲得数」と「通算1位獲得年数」をともに自己更新する人気ぶりを見せた。

 昨年の映画公開に続き、今年は実写版の『ONE PIECE』がNetflixで配信され、世界各国で大きな注目を集めた。次なる航海を描くシーズン2の制作も早くも決定し、まだまだ世間を席巻していくのは間違いないだろう。

 そのほか『呪術廻戦』シリーズが、2位、4位、5位、8位に、『SPY×FAMILY』シリーズが6位、9位にランクインし、シリーズで複数巻がTOP10入りを記録した。また、10位には、今年2023年公開の実写映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-運命-/-決戦-』が話題になった『東京卍リベンジャーズ』の最終31巻がランクインを果たした。
  • 『クスノキの番人』

    『クスノキの番人』

 また、文庫部門では東野圭吾氏の『クスノキの番人』が、期間内売上54.2万部で上半期に続き1位に輝いた。“その木に祈れば、願いが叶う”と言われているクスノキの番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々が織りなす物語を描いた長編書き下ろしエンターテインメント作品となっている。そのほか同部門では、期間内売上41.5万部で辻村深月氏『傲慢と善良』が2位を獲得。続く3位には、期間内売上31.5万部で湊かなえ氏『カケラ』がランクインした。

“自立した美しい女性像”を確立、MEGUMIの美容本が2ジャンルで1位の快挙

  • MEGUMI著 『キレイはこれでつくれます』 ダイヤモンド社刊

    MEGUMI著 『キレイはこれでつくれます』 ダイヤモンド社刊

 ジャンル別「美容・ダイエット」では、MEGUMIの『キレイはこれでつくれます』が、期間内売上34.2万部で、上半期に続き1位を獲得。さらに、ジャンル別「タレント本」でも1位を獲得し、美容・ダイエットジャンル&タレント本ジャンルでの同時1位獲得となった。

 本作は、「美容できれいになって新しい自分を手に入れる!」をコンセプトに、忙しくてもきれいになれる美肌、メイク、カラダ、美髪、心のコツをMEGUMIが解説する1冊である。

 1児の母であり、タレント、俳優としても活躍中のMEGUMIだが、いわゆる「ママタレ」とは一線を画した存在感を確立しているといえる。フリーペーパーの創刊、Webメディアの運営、カフェ経営など、芸能活動以外の事業も展開し、近年は映画賞を受賞したり、ドラマ作品のプロデュースにも精を出している。ORICON NEWSの過去インタビューで「リスクを冒してでもガンガン行動したからこそ世界が広がった」と、やりたいことができる道を地道に模索していた経験を語っている。こうした行動力や徹底した自己プロデュースにより、「自立した美しい女性」イメージの確立に成功したことが、多くの支持を集めている大きな要因であるだろう。
  • 『齋藤飛鳥写真集 ミュージアム』

    『齋藤飛鳥写真集 ミュージアム』

  • 『WBC2023 メモリアルフォトブック』

    (C)『WBC2023 メモリアルフォトブック』(世界文化社 刊)

 ジャンル別「写真集」では、元乃木坂46・齋藤飛鳥の『齋藤飛鳥写真集 ミュージアム』が、期間内売上17.6万部で1位を獲得。2023/6/5付「オリコン週間BOOKランキング」で1位を獲得後、2023/8/28付まで13週連続で写真集ジャンルTOP10入りを果たした。そのほか、「写真集」2位には期間内売上15.1万部で『WBC2023 メモリアルフォトブック』がランクイン。期間内売上は15.1万部で、累積売上15万部を突破。スポーツ関連本1位の作品が期間内売上15万部を突破するのは、2017年度の長友佑都『長友佑都のヨガ友 ココロとカラダを変える新感覚トレーニング』以来6年ぶり、史上5作目となる。
<<主要3部門ランキング表>>
◆BOOK  1位〜20位 
◆コミック 1位〜30位 
◆文庫   1位〜20位

オリコン年間”本”ランキング BOOKランキング ジャンル別・形態別1位作品

集計期間:2022/12/5付〜2023/11/27付(実質集計期間:2022年11月21日〜2023年11月19日)
<調査協力店舗総数> 全国書店4,038店舗(WEB通販含む) (※2023/11/27付現在)
※「オリコン"本”ランキング」は、2008年4月よりスタート
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