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『ゆとりですがなにか』は人生を共に歩んでいける持続可能な作品 キャスト&スタッフ座談会

 今や押しも押されもせぬ日本を代表する俳優となった岡田将生×松坂桃李×柳楽優弥と、脚本:宮藤官九郎×監督:水田伸生の最強コンビが再び集結し、2016年に大きな話題を呼んだドラマを映画化。『ゆとりですがなにか インターナショナル』が13日より劇場公開中だ。

これを機に新しい世代にも届くといいな

――『ゆとりですがなにか』が映画化!お気持ちは?
岡田ドラマ、スペシャルドラマを経て、映画の話は本当にうれしかったです。『ゆとりですがなにか』をたくさんの方々が好きでいてくださったおかげだと思います。

松坂でも、この作品をそもそも知らなかったという方もいらっしゃると思うので、これを機に新しい世代にも届くといいな、と思います。映画を観てからドラマに戻っていただいてもまったく問題ないです。

柳楽出演したドラマが映画化されるなんて、本当にありがたいことだな、噛みしめながら現場にいました。久しぶりに皆さんと再会できてとてもうれしかったです。
――岡田さんは今回、子豚と共演されましたね。

岡田正和のキャラクターと子豚はすごくマッチしていたと思います。すごくかわいかったですし、お芝居もやりやすくて(笑)

松坂いい子だったよね。

岡田懐いてくれて、僕の大事なところをちゃんと隠してくれました(笑)

水田あのシーンは1テイクなんですよ。

岡田そうなんですよね。そこ!というところに本当に来てくれて。

柳楽なんで子豚だったのですか?

宮藤テレビシリーズでは「鳥の民」だった居酒屋が、韓国企業に買収されて「豚の民」になったので、子豚がいいかなって。
――ドラマの第5話で正和がアキレス腱を半分切る大ケガをして、スペシャルドラマでも正和が足を骨折して、今回の映画ではなんと山路が松葉杖をつく羽目になりますが…

松坂今回の台本を読ませていただいた時に、今回は僕の番ですね、と一身に受け止めました。

水田宮藤さんは、骨折が好きなんですか?

岡田それ、僕も気になっていました。

宮藤確かに多いですね。意識しているわけではないんですが、ここでけがをしたら面白いかなと思ってしまうんでしょうね。
――柳楽さんは中国版SNSのシーンで見事な中国語を披露されてますね。

柳楽中国語の発音は本当に難しかったですね。4時間ぐらいやって、台本の3行分くらいしか頭に入らなくて。

宮藤しかも、めちゃくちゃテンション高くしゃべらないといけなかったから大変だっただろうな、と思っていました。

柳楽指導の先生が丁寧に教えてくださったので、なんとかできました。

松坂中国語を話すまりぶ、すごく似合ってたよ。

水田NGなしです。指導の先生もスタッフも鳥肌ものでした。

岡田松坂さすがだなぁ。
――オープニングの疾走感が『ゆとりですがなにか』の魅力のひとつでしたが、それは映画にも踏襲されていますね。

宮藤冒頭の約10分、観客の気持ちを早く引きつけるために、正和、山路、まりぶの3人がどういう登場の仕方をして、どういうやり取りをしたら面白いか、考えるだけですごく楽しくて、力が入り過ぎちゃった感じはありますね(笑)。正和のYouTuberのシーンや、山路のデートシーン、まりぶの第一声は「おっぱいいかがっすかー?」じゃなきゃ駄目だろうなぁ、とか…。自分の中でもすごく勢い付いちゃっていたから、異常なテンションになっているんですよね。自分でも恥ずかしくなるぐらいはしゃいでいるというか。

水田最初に書いた脚本から決定稿までに何度か手直しが入るんですが、冒頭だけは直さなかったですね。

宮藤直したくなかったです。山岸(仲野太賀)が出てくるところまでは。観客にも「来た、来た」「これ、これ」と思ってもらえたらいいんですが、「何これ?」って思われたら最悪です(笑)

――水田監督が一番印象に残っていることは?

水田ハロウィンの日の渋谷スクランブル交差点のシーンですね。日本中どころか、それこそインターナショナルに知られている場所ですし、あそこでロケができないことも多くの人が知っている。数日かけて、多くのエキストラとともに大規模な撮影をしたシーンを映画の魔術でどう仕上げるか、力が入りました。
――皆さんにとって『ゆとりですがなにか』とは?

松坂僕の中では終わりがないと思っているんです。年齢を重ねて、3人がおじいちゃんになった目線で『ゆとりですがなにか』をやってみても面白いのではないか、と勝手に思っています。

宮藤年を取っても「俺ら、ゆとりだから」と言っているの、面白いですね。

岡田僕自身の人生のほかに、正和の人生も歩ませてもらっている感覚があります。正和の人生をずっと追っていけたらいいな、と思います。

柳楽僕もです。自分の俳優としてのキャリアと一緒に成長していける役と出会えたのは幸せなことだと感じます。

水田『ゆとりですがなにか』は、宮藤さんがある映画を撮っていた時の助監督さんに、いわゆる「ゆとり世代」がいて、その不可解さに興味を持ったことがきっかけで生まれました。今度はゆとり世代の3人が、新しい世代を不思議だと感じる話は書けるんじゃないかな。

宮藤今回の映画に登場する「Z世代」もそうなんですけど、その時代を象徴する世代の呼び方はこの先も出てくるので、そのたびに『ゆとり』の人たちが首をかしげているのは、面白いかもしれないですね。

『ゆとりですがなにか』とは

 「ゆとり世代」と勝手に社会に括られた、1987年生まれのアラサー男子3人が、優勝劣敗の競争社会の中で、仕事に家族に恋に友情に、迷い、あがきながらも、必死に毎日と向き合っていく姿を描いた、かつてない社会派ドラマ。2016年4月期に日本テレビ系で連続ドラマとして放送され、翌17年7月に連ドラの1年後を描いたスペシャルドラマ『ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編』が2週連続で放送された。


『ゆとりですがなにか インターナショナル』

 <野心がない><競争心がない><協調性がない>【ゆとり世代】

 かつて勝手にそう名付けられた男たちも30代半ばを迎え、それぞれの人生の岐路に立たされていた…。

 夫婦仲はイマイチ、家業の酒屋も契約打ち切り寸前の正和(岡田)、いまだに女性経験ゼロの小学校教師・山路(松坂)、事業に失敗し、中国から帰ってきたフリーター・まりぶ(柳楽)。

 コンプライアンス、Z世代、働き方改革、テレワーク、多様性、グローバル化…彼らの前に、想像を超える新時代の波が押し寄せる!時代は変わった。俺たちは…どうだ!?
岡田将生 松坂桃李 柳楽優弥
安藤サクラ 仲野太賀 吉岡里帆 島崎遥香
木南晴夏 上白石萌歌 吉原光夫
中田喜子 吉田鋼太郎

脚本:宮藤官九郎
監督:水田伸生
主題歌:「ノンフィクションの僕らよ」/感覚ピエロ(JIJI.Inc)

(C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会

公開日:2023年10月13日

公式サイト:https://yutori-movie.jp/

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