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ぐでたま「だりぃ〜、ねみぃ〜」で10周年、“サンリオらしくない”と言われながら個性が支持された理由
サンリオ広報も頭抱えたコンセプト、過去にはピューロランド“出禁”も
「サンリオにも、『クロミ』とか『バッドばつ丸』のように表面的には“いい子”じゃないキャラクターはたくさんいますし、その系譜に入れたらいいなという思いでした」(Amyさん)
だが、ぐでたまは“いい子”でないばかりか、サンリオのキャラクターの概念を覆すある要素があったという。
「個人的に衝撃的だったのは『誕生日=毎日』という設定でした。ハローキティもマイメロディもそうですが、キャラクターというのはこの世にたった1人の唯一無二の存在。それが、たまごとして毎日生まれて、食べられるけどまた生まれて、世の中にたくさん存在するという…。どこか哲学すら感じさせるコンセプトに、最初は頭を抱えてしまいました(笑)」(サンリオ 広報課・小畑恭子さん)
一方で、「対外的には非常に汎用性が高い」との評価もある。
「唯一無二の存在というのは、『複数体を同時に存在させることができない』という縛りにもなります。その点、ぐでたまなら無制限ですから(笑)、それこそ一度に大量発生するみたいな展開もできたら楽しそうだなと考えています」(沖崎さん)
ニセたまさんがぐでたまを連れて勝手にパレードに出てしまったり、通路でぐでーてぃんぐ(ぐでたまによるグリーティング)を実施してしまったことで、サンリオピューロランドへの出入り禁止処分をくらう(その後なんとか解除)など、ほかのキャラクターではあり得ない功績を残してきたぐでたま。Amyさんは、ぐでたまのこれからについても、これまでにない展開に思いを馳せる。
「何かギャップのあること…たとえば美術館の音声ガイドを、ぐでたまがやったら面白そうだなとか考えたりしますね。あのやる気のない口調と適当な説明なら、声だけでもぐでたまと認識してもらえるんじゃないかなと思っています」(Amyさん)
本来、キャラクターは造形ありきで成立するもの。しかしぐでたまは、Twitterとの親和性からもわかるように、造形を超えてパーソナルな側面が支持されてきた。視覚要素に縛られないということは、たとえば目の不自由な人にもぐでたまの魅力は伝わるだろう。いわばバリアフリーなキャラクターとも言える。やる気がないながらも、そのポテンシャルは計り知れない。
(文:児玉澄子)
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