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蚊やゴキブリの遺影を前にお焼香…アース製薬が“虫供養”を行うワケ「感謝と懺悔の気持ちと向き合う大切な日」

虫たちの尊い命のおかげで、さらなる進化を遂げていく虫ケア商品

 一年に1回、命の大切さを感じながら、虫ケア用品などの研究を行っている同社。そもそも効力試験を行わなければ、世の中に虫ケア用品はなくなってしまう。例えば、世界で最も人間の命を奪っている生物は蚊だが、その蚊を駆除しなければ、マラリアや日本脳炎などの感染症で人がたくさん死んでしまう。人間の生命を守るためであり、虫にまつわる問題解決をするという社会の使命に則って、それを全うする。だからこそ、一年に1回、商品開発に貢献してくれた虫たちへ“感謝”する。

 そうした結果、1度で一年駆除効果をキープする「ゼロデナイト」という非常に便利な商品が生まれた。一般の虫ケア用品といえば、ピレスロイド系という有効成分が神経系を興奮させて死に至らしめるものだった。虫ケア用品をかけて暴れながら死ぬという姿を見た人も多くいるだろう。だが今回、「ゼロデナイト」に使用している成分は、虫が興奮状態にならずに眠るように駆除できる。いわば、虫の“安楽死”だ。

「今後もむやみやたらと虫を犠牲にするわけではなく、虫との共生も実現しながら、虫に関するありとあらゆる問題を解決する商品開発を目指していきたいです」

 人という生物は、他の生き物を殺して食べたり、また害になる生き物を駆除したりと、命を奪いながら生かされている罪深い存在だ。だからといって人間が特別というわけではない。人間も“動物”であり、それを忘れがちである。しかし、もし我々に“理性”というものがあるならば。自らが奪う“命”に感謝し、弔おうとする日が一年に1回はあってもいい。それがひいては平和につながることを祈りたい。

(取材・文・衣輪晋一)

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