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新潟アイス屋の“ぶっ飛び”広告が4日で1000万再生、売上は3倍に 広がる「ローカルCM」の可能性
シニア版“花男”…? 創業100年超の老舗が今更CMに“本気”出してきた理由とは
当然、反発するヒロイン。だが“佐渡”は「うるせぇ口だな」と、そのヒロインの頬をがしっと手で掴み、その目を覗き込む。強引なアプローチにヒロインは思わず「とぅんく」と、ときめいてしまう。うっとりと目をつぶるヒロイン。佐渡はその口に、同社のアイス『佐渡の藻使用塩キャラメル』を送り込む。
同web CMを制作したのは、クリエイティブディレクターのセカイ監督。シュールで“面白い”に特化した映像広告を制作する新進気鋭のクリエイターだ。セイヒョーの商品は基本的に県内販売であることもあり、それまでシンプルに商品名を訴求するローカルCMのみを制作していた同社は、今回のセカイ監督の起用理由をこう明かした。
「日本の変なCM」中国でも話題に、新潟のソウルフードが全国に拡大
「そもそもセカイ監督には、新潟では知られているものの全国的にはあまり知名度が高くない『もも太郎』というアイス、それとセイヒョーという会社を周知していきたいということをお伝えしました。そこで敢えて、学園ドラマあるあるで広く共感を呼ぶテーマを選択。セイヒョーが老舗の会社であるという裏テーマから、高齢者をキャスティングされたようです」
「特にセカイ監督がこだわったのは、“佐渡”がヒロインの頬を掴んだときの唇の形。イメージ通りの唇の尖り方を得るために、この数秒のシーンを9回リテイクしたそうです。また“とぅんく”と“オモシレーオンナ”というセリフの言い方はキーとなるため、そこにもかなりこだわったとおっしゃっていました」
物価高騰でも“60円”キープの『もも太郎』、高級志向トレンドにカウンターヒットなるか
値段は、このご時世にもかかわらず、1本60円をキープしている。「かなり厳しい情勢ではありますが、子どものお小遣いで買えるものであり、その思い出のまま、同じ値段で食べてもらいたい」という想いからだ。“思い出”を付加価値に置いているからこそのロングセラーなのだろう。昨今は高級志向トレンドが進む中、レトロでシンプル、低価格の『もも太郎』は都会のアイスコーナーで新たなニーズを創出し、意外なヒットを生む可能性も秘めている。
都市集中現象、少子高齢化に加えて、物価高騰が止まない中、各業界の競争はますます激化していくに違いない。しかしこのインターネット社会において、チャレンジの選択肢は格段に拡大し、いまや大企業一強時代ではなくなった。地方の老舗企業であるセイヒョーが新たな感性で日本全国に楽しい話題を届けられたように、日本経済が佳境を迎える中、今後CMに“本気を出す”地方企業が増えてくるのは必然であり、急務なのかもしれない。
SNSで大きな反響を呼んだセイヒョーCM
アイス屋さんがCMに本気を出した結果 pic.twitter.com/QsavXX2Eau
— 【公式】セイヒョー (@seihyo_jp) November 16, 2022
@seihyo_jp このアイスのcmアホすぎて好きwwwwww
オリジナル楽曲 - セイヒョー【公式】