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セルフエステや脱毛も付与…RIZAPが従来とは真逆の“低価格ジム”路線を拡大、果たして勝算は? 瀬戸健社長に聞く

瀬戸健社長

 『RIZAP』が、新規事業として世界初のコンビニジム『chocozap(ちょこざっぷ)』の本格展開を開始した。料金は月額3278円(税込)で、24時間365日いつでも利用可能。完全無人店舗で予約や入店は公式アプリで管理するなど、トレーナーが徹底的に寄り添うパーソナルジム『RIZAP』とは料金からシステムまで真逆ともいえる業態だ。「1日5分のちょいトレ習慣」をうたっているが、果たして『chocozap』でも「結果にコミット。」はできるのか? 同社の瀬戸健社長に話を聞いた。

短期集中でゴールを目指す『RIZAP』とは真逆 ジムと縁のない96%の人が主な対象者に

コンビニジム『chocozap(ちょこざっぷ)』

コンビニジム『chocozap(ちょこざっぷ)』

──『chocozap』の構想はいつ頃からされていたのでしょうか?

瀬戸社長 『RIZAP』を展開しながらずっと悶々としてきたんです。たしかに『RIZAP』では、これまで18万人以上に「結果にコミット」してきました。だけど我々の理念である「人は変われる」という価値を提供できているのは、ごく限られた方々だけ。ネックになっているのは、やはり料金でした。『RIZAP』は、日本トップレベルのサービスとメソッドを誇りますが、料金も業界一ですから。

──業界一ということですが、『RIZAP』の料金が高額の理由を教えてください。

瀬戸社長 『RIZAP』に入会される方は「○ヵ月で○キロ痩せたい」など、ゴール意識が非常に明確です。そのゴールを確実に達成するために最も重要なのは、トレーナーの“人間力”です。ゴールに向かって徹底的にお客様と寄り添い、絶対に脱落させることなく「結果にコミットする」、それが『RIZAP』の本質です。トレーナーが毎日お客さまと寄り添い、向き合うためには人件費を始め、店舗内の内装・設備などにもコストがかかります。

──昨今は健康意識の高まりで、フィットネスブームと言われますが。

瀬戸社長 とはいえ、日本のフィットネス人口は4%未満と先進国では最下位。運動しない方は、まったくしません。また、健康のために何かしたいけれど一歩を踏み出せない、ジムに入会したけれど足が遠のいてしまった…という方もたくさんいる。その原因は、フィットネス業界にもあるのではないかと考えています。『chocozap』の主な対象者は、これまでジムとご縁のなかった96%の方々。短期集中でゴールを目指す『RIZAP』からは完全に振り切った業態で、持続可能な健康のためのライフスタイルを提案します。

挫折なく継続できる仕組みを…低価格でも幽霊会員を作らない“コンビニ”ジム

コンビニジム『chocozap(ちょこざっぷ)』

コンビニジム『chocozap(ちょこざっぷ)』

──瀬戸社長が感じていたフィットネス業界の課題とは? また『chocozap』では、それをどう払拭されるのでしょうか?

瀬戸社長 ジムが身近にならなかった原因として、わざわざ足を運んで靴や服を着替えて、トレーニングしてシャワーを浴びて…とにかく面倒くさいじゃないですか(苦笑)。だからこそ『chocozap』は、「コンビニジム」をコンセプトにしたんです。生活の徒歩圏内に複数の店舗があれば、お買い物の途中や昼休みなど、いつでもふらっと立ち寄ることができますよね。現在は都内中心に105店舗ですが、2025年度までに全国2000店舗の出店を目指しています。

──「1日5分のちょいトレ習慣」とうたっていますが、5分で「結果にコミット」はできるのでしょうか?

瀬戸社長 『RIZAP』のメソッドを初心者向けに再構築したプログラムについて効果検証を重ね、体重や体脂肪率だけでなく、体力年齢に明らかな効果が出ることが実証されています。ただし大切なのは少なくとも週1〜2回の「習慣」にしていただくこと。そのための「コンビニジム」であり、またいかに挫折することなく継続していただくかという実証も重ねてきました。

──具体的には?

瀬戸社長 実証店舗では、来店頻度が下がった方にメールを出したり、それこそ電話で来店を促したこともありました。もちろん「電話してほしくない」という方にはしませんでしたが、電話を喜んでくれた方も意外に多かった。継続するモチベーションは人それぞれで、正解は1つではないんですね。今後もアプリのプッシュ通知や来店ポイント、コミュニティ作りなどあらゆる方法で継続を促したい。そしてやがて運動をすることが、健康のための習慣にとどまらず、人生を豊かにするための楽しい時間、リフレッシュのための時間だと感じていただけるようになればと考えています。

──フィットネスジムでは“あるある”の、幽霊会員で儲けることはしないということですね。

瀬戸社長 それだけは絶対にしません。お客さまにデメリットなのはもちろん、中長期的に見れば弊社の持続可能な成長を妨げることにもなりますから。

年間40億円規模の投資…お客さまに「コスパ最高!」と思ってもらえるかが重要

コンビニジム『chocozap(ちょこざっぷ)』

コンビニジム『chocozap(ちょこざっぷ)』

  • 瀬戸健社長

    瀬戸健社長

──入会スターターキットとして体組成計、ヘルスウォッチを全員に配布されるとのこと。かなりの投資額かと存じます。

瀬戸社長 年間40億円規模の支出を予定しています。体組成計やヘルスウォッチは、公式アプリと連動した設計になっていて、これも『chocozap』の「結果」を実感し、継続を促すための取り組みの一環です。一方で『RIZAP』の方法論からは完全に振り切って人件費を抑えていますので、店舗にはトレーナーも常駐しません。正しいトレーニング方法についてはアプリ動画などで覚えていただきますが、高齢者などアプリの操作に慣れていない方やトレーニング器具の使い方に不安がある方には、別料金によるサポートも用意しています。

──これまでも24時間365日利用可能な低価格のフィットネスはありました。他との差別化や付加価値について、どのように考えていますか?

瀬戸社長 とにかくいかにお客さまに元を取っていただくか、「コスパ最高!」と思ってもらえるか。そのために、追加料金なしで利用できるセルフエステや脱毛(要予約※1)、ゴルフ(一部店舗・要予約)も用意しましたが、何より重視しているのは『chocozap』の「結果」を実感していただくことです。

――フィットネスでのセルフエステや脱毛サービスは、あまりなかったように感じます。

瀬戸社長 エステや脱毛は、高額なイメージがあり、手が届かないと思っている人が多いでしょう。いまは物価も上がり、自己投資にお金をかけづらい状況です。健康だけでなく、美容も生涯付き合っていくもの。だからこそ、この価格で提供することで、誰もが使いやすく、自分磨きやリフレッシュできる場になってもらいたい。ちょっと体を動かそう、お出かけ前にエステに行こうといった、それくらいのレベルで気軽に利用してもらいたい。生活にゴールはないので、ライフスタイルに根付き、一生の付き合いになってもらいたいです。

──機器の安全性は、どのように考えていますか?

瀬戸社長 セルフエステなどで使用されている機器を導入しています。出力は通常より少し下げ、間違った使い方をしないように、注意書をしっかりと記載しています。また、公式アプリで使い方に関する動画も紹介しています。

──完全無人店舗とのことですが、安全の取り組みについてはいかがですか?

瀬戸社長 店舗は死角がないように24時間365日、AIカメラで監視しています。お客さまの転倒や不審な行為を検知した場合は、当社や管理会社へ通知される仕組みです。ちなみにトレーナーが常駐しないのも、ジム初心者の方の心理的ハードルを下げる工夫の1つです。初心者のなかには、「上級者がいるジムには行きづらい」という方もけっこう多いんですね。なので筋トレガチ勢の方々は、『chocozap』とは別の施設に行っていただいたほうがいいかもしれません(笑)。

──既存のマーケットは狙っていないわけですね。

瀬戸社長 そうです。ただ業界の常識を覆そうとすると、いろいろなご意見をいただくかもしれませんね。『RIZAP』も初期には「マーケットを奪われるんじゃないか」と言われました(苦笑)。ですがお客さまからの支持でそれも乗り越え、さらに結果としてパーソナルジムの普及にもひと役買えたと自負しています。『chocozap』もおそらくたくさんの逆風があるとは思いますが、答えはお客さまのなかにあります。コスパ以上の価値を提供することで、日本全体の健康寿命の底上げに寄与したいです。

※1 セルフエステ、セルフ脱毛は一部設置がない店舗があります。

(文/児玉澄子)
◆chocozap(ちょこざっぷ)公式サイト(外部サイト)
◆chocozap(ちょこざっぷ)Twitter(外部サイト)

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