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「全身ひどいアトピー」学生時代のコンプレックス乗り越えた“ガーリッシュ男子”、バッシングあっても「なりたい姿を表現」

  • ビフォーアフターを披露したひろきちくん

    ビフォーアフターを披露したひろきちくん

 “ガーリッシュ男子”を自称し、美麗な写真をTwitterに投稿している“ひろきちくん”。昨年の9月には、学生時代の垢抜けていない写真と、ピンクの髪でメイクを施した現在の写真を並べて投稿し、フォロワーたちを驚かせていた。そんな彼に、“女装”に対する見解や、SNSで発信する理由について聞いた。

容姿をいじられ続けた学生時代…「目つきが悪いとか不細工とか、さんざん言われた」

――「ガーリッシュ男子」として、とても美麗な写真をアップされていますね。女装を始めたきっかけはありますか?

ひろきちくん 自分自身では女装とは思っていなくて。「こうありたい」という、ありのままの姿を表現していくうちに今の自分になりました。

――Twitterに昔の写真と現在の写真を並べて投稿された経緯を教えてください。

ひろきちくん 以前、「#垢抜けた選手権」のツイートを見たことがあったんです。現在の“ひろきちくん”の活動をする中で、自分が投稿したらどれくらい反響があるか気になって試してみました。

――美麗なお写真を多数ツイートされている中、過去の垢抜けていない写真をアップされることに迷いや抵抗はなかったのですか?

ひろきちくん Twitterアカウントを作ってすぐに投稿したんです。これをきっかけに僕のことを知ってもらえたら良いな〜という思いだったので、抵抗はまったくなかったですね。

――周囲の反応はいかがですか?

ひろきちくん 「人って数年あったらこんなに変われるんだ」や、「自分も頑張ってみたい」といった前向きなコメントをたくさんいただきました。見てくださった方に元気を与えられたみたいで良かったです。

――垢抜ける前の写真は9年前のもの…とのことですが、その当時は、ご自身の容姿に対してどのように思われていたのでしょう?

ひろきちくん 全身がひどいアトピーで、学生時代はよくバカにされていました。どれだけ気をつけても、病院で効き目のある薬をもらっても、少し治まる程度で完全に治ることはなくて。顔に関しても、もともと目が小さくツリ目なので、目つきが悪いとか不細工とか、さんざん言われていましたね。コンプレックスだらけの学生時代でした。

“ガーリッシュ男子”の展望「LGBTや女装について、正しい情報を伝えていきたい」

――過去と現在の写真を見比べてみて、改めて思うところ、感じるところはありますか?

ひろきちくん 過去の自分はいかにも自信がなさそうなのに対して、今の自分は生き生きしていますね。コンプレックスはまだあるものの、メイクの楽しさや素晴らしさを知って、人生が楽しくなりました。

――美意識の向上により、さまざまな努力をされたと思うのですが、それらを具体的に教えていただけますか?

ひろきちくん アトピーはだいぶ良くなったものの、完治したわけではないので。しっかりケアしていても、それでも肌が荒れてしまう…ということはよくあります。なので、スキンケアはもちろん、メイクに関しても、自分の肌質に合うものを選んで使うようにしています。

――ご自身のことを「ガーリッシュ男子」と称されていますが、その定義を教えてください。

ひろきちくん 「女装」と「ニューハーフ」の違いは、女性ホルモンの注射をしているか、していないかの違いになります。ほかにも「男の娘」という呼称もあって、いまではどこまでが「女装」になるのか、その定義があやふやです。僕自身は「女装」をしているという認識はなく、「女性になりたい」という願望もないんですけど、男性的なものより、女性的な可愛いファッションの方が好きなので、何かいい言葉はないかなと考えて。そこから「ボーイッシュ女子」の反対語として、「ガーリッシュ男子」という呼び名を思いつき、名乗るようにしたんです。

――「ガーリッシュ男子」同士の交流もあるのですか?

ひろきちくん あくまでも僕が作った造語なので、そう名乗って活動している人はいないと思います。言葉が広く認知されて、価値観を共有できる「ガーリッシュ男子」が増えていくといいなと思っています。

――「ガーリッシュ男子」としても活動されるようになって、精神的にも変化したところはありますか?

ひろきちくん 何もしていなかったころは自分にまったく自信がなく、「どうせ自分なんて…」とつねづね思っていました。でも、スキンケアやメイクの楽しさを知り、練習・研究を続けていくなかで、だんだん自信を持てるようになってきて。心にゆとりができたように思います。今は毎日が本当に楽しいです。

――こういった活動の中で、楽しいことやつらいことはありますか?

ひろきちくん 現在1万2千人のフォロワーさんがいます。SNSを大勢の方に見てもらえて、「こういうジャンルの子もいるんだな」と認識してもらえるようになったことは嬉しいです。ただ、ツイートを見てもらえる機会が増えた半面、バッシングや悪口を言われることも多くなったので、そこはちょっとつらいところですね。

――ご苦労も多いと思いますが、ますますのご活躍を期待しております。それでは最後に、「ガーリッシュ男子」として、今後の目標を聞かせてください。

ひろきちくん 多様性が認められつつある世の中ですが、LGBTや女装に対する認識は、まだまだ食い違っているところがたくさんあると思っています。まずはそうした違いを伝えていきたいし、みんなが楽しい気持ちになれる情報をどんどんシェアしていきたいですね。見てくれる人に勇気や元気を与えられる存在になりたい…というのが、いまの目標です。


取材・文=ソムタム田井
ひろきちくんTwitter:@hiropon__oto(外部サイト)

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