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「尾行はチーム戦」探偵社語る不倫調査の実態、“証拠を押さえる”ノウハウとは
尾行はチーム戦、カメラを駆使して…「確実にクロである証拠を押さえる」
──探偵事務所では、どのような調査依頼を請けていますか?
相談員 うちの事務所で請け負う調査は多岐にわたりますが、もともと不倫調査と家出調査が圧倒的に多いんです。
──一般の人がイメージする探偵というと、ひたすら聞き込みと張り込みをし、ときには尾行して情報を掴むというイメージがあります。実際の探偵業務とはどんなものなのでしょうか?
相談員 ほぼ、そのイメージのままではあります。ただ、うちの場合は他社様と異なり調査員を社員雇用しているので教育もできますし、調査員の人数が多いので、チームで取り組むことができます。数人ごとに分かれて連携を取りながら尾行したり、時には定点カメラを使って様々なところで待機している調査員に指示を出して追跡したりしています。
――素人の調査と違う点は?
相談員 素人の調査と絶対的に違うところは、きちんとした撮影機材を使って、確実にクロである証拠となる写真を押さえること。ホテルの同じフロアに部屋を借りて、そのドアスコープから決定的な場面を狙ったり、暗い建物内で撮影するときには暗視カメラを使ったり、とにかく言い訳のできない証拠を押さえます。突然タクシーの乗られても見失わないように、必ず車両隊も待機します。
探偵の業務内容を決める法律も存在!? 「探偵といえども特別に認められる行為はない」
相談員 おっしゃる通り、だいぶ動ける範囲は狭くなりました。それまでは探偵業に関して何も法律がなかったのですが、平成19年に施行された探偵業法の規定により、マンションのエントランスまで入ることなど、ドラマや映画で見るようなことは一切禁止されたんです。
――この法律によって、どんな変化がありましたか?
相談員 この法律ができたことにより、探偵業者としての届け出がない場合はもぐりの業者になってしまうのですが、届け出をした探偵業者だからといって特別に認められることは何もありません。制限の中でいかに確実な証拠を掴むかという意味でも、生半可な探偵事務所では難しくなっていると思います。
――家出調査も多いとのこと。そういった調査でも制限はあるのでしょうか。
相談員 探偵にできることというのは、警察と異なり限られます。私たち探偵には、相手を見つけても「捕まえる」「獲捕する」といった権限がありません。例えば目の前で飛び降りようとしているのであれば、それは一般人が行うのと同じこととして緊急獲捕することはできますが、相手に触れることも、説得して連れ帰ることもできません。許されているのは探して、依頼人に所在を伝えることだけなんです。もし、親御さんが警察に捜索願を出しているのであれば、見つけたときにうちや家族から警察に連絡をして保護してもらうことは可能です。
調査結果がゴールではない「アフターケアまでしっかり」 現代の探偵社の在り方
相談員 うちは相談員の全員が、カウンセラーの資格を持っています。同じ建物の中に弁護士事務所があり、何かあったらすぐに相談できるようにもなっています。調査の結果を出すことがゴールではなく、そのあと依頼人がどうしていくべきなのかを考えて、支えていくところまでが大切だと思っているんです。
――結果が出て終わり、ではないんですね。
相談員 例えば不倫調査では、クロであった結果が許せなくて「離婚する!」という方はたくさんいます。でも、私たちは基本的に離婚をおすすめしません。結果が出たときはカッとなっていますが、離婚後の経済面などその先のことを冷静になって考えることがとても大切です。浮気が決定的となって信頼が崩れ、一度はぐちゃぐちゃになった家族が、時間の経過とともに落ち着いてきたり、お孫さんができたことなどをきっかけに再び輪を取り戻したりしてきた姿をたくさん見てきていますから。
――浮気が発覚したからといって、すぐさま離婚を決めた方がいいとは限らないと。
相談員 もちろん、結果に関わらず、疑い続けることで心が擦り切れてしまって、修復不可能になるケースもあります。でも、離婚がすべてではありません。そこからまた、新しい関係性を築くことも可能です。私たちとしては、依頼案件は片付いても、いつでも相談できる場所として、依頼者さんをずっと支えていきたいなと思っています。
取材協力:RCL探偵事務所(外部サイト)