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子ども時代のアイスは「特別なご褒美だった」…溶けてなくなる“儚さ”に命を吹き込むアイスアートを作り続ける制作者の想い
アイスはすぐになくなってしまう“儚いデザート”アートとして完成させことで命を宿している
アイスアートっ子もともと絵を描くこと(模写)や造形は子どもの頃から好きだったのですが、6年程前の大雪が降った日に、思いつきでリアルなライオンを雪でベランダに作ったときに、造形の楽しさに改めて気づきました。その雪のライオンをFacebookに投稿したところ、友達からの反響も大きく、もっと色々な物を作りたいと思うようになりました。
――そこからなぜアイスアートへ?
アイスアートっ子SNSでさまざまなアートを検索していくなかでアイスアートの存在を知って興味を持ち、大好きなディズニーのキャラクターで、カップに収まりやすい丸いキャラクターの『モンスターズ・インク』の「マイク・ワゾウスキ」を作ってみたのが最初のきっかけです。完璧主義なので、色や形も細かく再現したく、自己流でチーズやチョコを加えながら、目や歯のパーツもこだわって作ったことで、さらに楽しさと達成感を味わいました。家族や友達からの反響も大きく、もっと色んな人に驚いてもらいたいという想いが増して今に至っております。
アイスアートっ子子どもの頃からアイスが大好きで「特別なご褒美」というイメージが強かったですし、カップアイスは特に贅沢なイメージで、冷凍庫にあると輝きを放っていました。家族で行くボーリングの帰りには自販機のセブンティーンアイスを食べるのが恒例で、それぞれに好きな味が決まっていて、やはり特別なときに食べられるご褒美でした。
――大人になった現在は?
アイスアートっ子今も私にとってアイスは「特別なご褒美」という価値観は変わらず、常に冷凍庫に何個かストックし、仕事で頑張った日や特別な日に食べて至福の時間を過ごすためのアイテムです。ただ、私は溶けて柔らかくなってきたアイスが苦手で、溶けないうちに食べなきゃといつも急いで食べるので、ご褒美ではあるけれど「すぐになくなってしまう儚いデザート」という認識も変わらずです。
――アイスアートを始めてからは、アイスに対する想いに変化はありますか?
アイスアートっ子アイスアートを作ることで“儚いデザート”のアイスに命が宿り、味だけではなく視覚的にも楽しめ、普通に食べるよりも長くアイスを堪能することができていると思います。アイスアートを作っている時間は無心で没頭できるのでストレス発散にもなるので、アイスは心身ともに自分には必要な存在という価値観に変わりましたね。
一番のお気に入りは「ヨッシー」昔遊んでた記憶が懐かしくなり他のキャラクターも一気に制作
アイスアートっ子カップアイスの丸い枠に収まりやすいシルエットか、キャラクターの色に近い色のアイスがあるか、目などほかの色のパーツをアイスと一緒に食べでも美味しい食材で再現できるか。この3つの条件に当てはまるキャラクターを見つけるようにしています。また、新しいフレーバーや季節限定フレーバーが出ると、そのアイスの色から条件に合うキャラクターを探すこともあります。ハーゲンダッツの季節限定の紫いもが発売したときは、紫のキャラクターということで『モンスターズ・インク』の「ランドール」を選びました。
【アイスアートっ子】「スーパーマリオ」シリーズで、その中でも「ヨッシー」が特に気に入っています。USJのニンテンドーワールドがオープンしたときに話題に乗って作りました。昔よくマリオのゲームで遊んでいたので懐かしくなり、「ヨッシー」の他にも「テレサ」「クリボー」「スーパーキノコ」を一気に作りました。「ヨッシー」は奥行きも再現して立体的に彫ったところがポイントです。4つ並べたときの色合いが鮮やかで、各キャラクターの表情を最も再現できた力作だと思っています。
――では、特に印象に残っている作品は?
【アイスアートっ子】初めての企業コラボとなった「エッセルスーパーカップ」のロゴを彫った文字のアイスアートです。趣味でやっていたアイスアートを、明治さんが見てくださっていたこと自体が嬉しかったです。
――制作自体は大変でしたか?
【アイスアートっ子】文字のアイスアートは作ったことがなかったので、新たな挑戦でとても難しかったです。一文字でも大きさや形がおかしいと全体のバランスが崩れてしまうので、微調整がとても大変でした。でも、だからこそ達成感があり、多くの反響をいただきました。アイスアートを作ることへの自信がつき、作り続けていて良かったなと思わせてもらえた経験でした。