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2021年 上半期ブレイク女優ランキング

2021年 上半期ブレイク女優ランキング

 2021年も早くも折り返し地点を迎えた。コロナ禍により社会の混乱はまだ続いているものの、ドラマやバラエティ、映画などエンタメ界は新たな方法を模索しながら制作を進めている。ORICON NEWSでは、毎年恒例の『2021年上半期ブレイク女優ランキング』を発表。その結果、ドラマでの怪演やバラエティで見せる“あざとかわいさ”で群を抜く【松本まりか】が1位に輝いた。20年以上のキャリアを持つ女優ながら、今年は初の連ドラ主演を務めたことも話題を集めた。

色物路線からの正統派ブレイクへ 30代40代の支持が集中

  • “顔面骨折”報道も話題となった松本まりか (C)ORICON NewS inc.

    “顔面骨折”報道も話題となった松本まりか (C)ORICON NewS inc.

 昨年のブレイク女優ランキングでは、4位までランクアップしていた松本まりか。今年は、WOWOWオリジナルドラマ『向こうの果て』で初の連続ドラマ主演を務め、数奇な人生を生きてきた放火殺人事件の容疑者を熱演。地上波では、大地真央主演のドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』(フジテレビ系)で演じたダメンズ女子の演技も高評価を受けた。

 15歳の女優デビューから、『ファイナルファンタジーX』のリュック役など、特徴的な声を生かした声優業もこなしながら、ブレイクまでに時間がかかった松本。2018年放送のドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)で、浮気の恋に身を焦がす役柄で存在感を発揮したことをきっかけに、注目作への出演が相次ぐようになった。

 また、インスタライブなどSNSでは、謎の無言の時間を作るなどのふるまいが“あざとかわいい”と話題になり、バラエティにもひっぱりだことなった。サントリースピリッツ『鏡月焼酎ハイ』のCMで歌った「はじめてのチュウ」もインパクトをもたらした。

 これまでは、いささか“イロモノ”的な見られ方をされることもあったが、1月3日・4日放送の木村拓哉主演のスペシャルドラマ『教場II』(フジテレビ系)では、警察学校副教官見習い役として、波乱の生き様を丁寧に演じ、演技力の高さが改めて評価。年々知名度を上げていき、“正統派女優”としての本領を発揮したことで、1位へと躍進を遂げた。

 多面的な魅力を見せた松本に、アンケートでは「30半ばでブレイクしたと思うし芝居も自然でうまいから」(大阪府/20代・女性)、「ドラマとそれ以外にも出演が増えて認知度が一気に上がったと感じます」(神奈川県/50代・男性)と幅広い年代から支持の声が集まった。どんな役でも演じ分ける“カメレオン女優”ぶりに「ドラマの演技力が評判になっているのをよく見かけたから」(長崎県/40代・男性)と称賛の声も相次いだ。

“まめ夫”ナレーションでも光る声の演技 最強のバイプレイヤーに

  • 兄のオズワルド伊藤とのエピソードもたびたび話題に(撮影:田中達晃)

    兄のオズワルド伊藤とのエピソードもたびたび話題に(撮影:田中達晃)

 2020年ブレイク女優年間5位だった伊藤沙莉が、今年の上半期は2位にランクアップ。今年に入って、「第45回エランドール賞 新人賞」、「第63回ブルーリボン賞 助演女優賞」と次々と受賞。女優としての実績を着々と積み上げていっている。

 昨年11月公開の映画『タイトル、拒絶』では、風俗嬢の役で主演を果たし、体当たりの演技で耳目をさらった伊藤。昨年好評だったNHK総合の『いいね!光源氏くん』も、『いいね!光源氏くん し〜ずん2』として放送中でヒロイン役を好演している。

 また、アニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)などで個性的なハスキーボイスでも高評価を得ていたが、そのほか声の仕事として、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)ではナレーションを担当。初回放送時には、「伊藤沙莉」がTwitterのトレンドワード入り。主人公・とわ子の心情を描写する独特なワードセンスとリズムが、伊藤の声とマッチして、視聴者に強烈な印象を残した。

 多ジャンルで話題を集める伊藤には「特徴的なハスキーボイスがすごく印象に残って、彼女が出演していると見てしまうから」(福岡県/40代・女性)、「唯一無二の女優さんだと思います。彼女が出演していたらとりあえず観ます。『大豆田とわ子』のナレーションもとてもよかった」(千葉県/50代・女性)など年上の女性たちが支持。男性からも「最近の活躍はすごいと思う。ドラマ、CM 、ナレーション。とれも彼女独特の持ち味が発揮され、稀有な存在だと思う」(大阪府/50代・男性)との意見があり、世代別の50代からの支持では1位となった。

女優活動が本格始動 初の連ドラで圧倒的な存在感を発揮

  • ドラマ『ドラゴン桜』での演技も好評だった平手友梨奈(撮影/Tsubasa Tsutsui)

    ドラマ『ドラゴン桜』での演技も好評だった平手友梨奈(撮影/Tsubasa Tsutsui)

 3位は、昨年欅坂46(現在は櫻坂46)から脱退し、女優としての本格活動を始めた平手友梨奈。女優としては2018年に映画『響-HIBIKI-』で主演を務めた。同作では、本人ともリンクする天才的な才能を持つ早熟の小説家を演じ、圧倒的な才能を披露。グループ脱退後、今年1月公開の映画『さんかく窓の外側は夜』では、“呪い師”役としてヒロインを務め、公開中の映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』では複雑な過去を持つ車椅子の少女・ヒナコと、出演作が続いている。

 先日最終回を迎えたドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)では、東大進学を目指す特別クラス・東大専科の生徒・岩崎楓を熱演。同作は平手にとって、ゴールデン帯の連続ドラマ初出演となった。

 絶対的な魅力を放つ平手に「演技力が高く、ダンスもかっこよかったから」(滋賀県/10代・女性)など、世代別では10代で1位に輝き、20〜50代でもTOP5内に入り全世代で活躍が認知されていた結果に。「話題作に出演しているし、その中でも存在感があるから」(神奈川県/20代・女性)、「『ドラゴン桜』での演技力と目力がいい」(東京都/50代・男性)との声も寄せられた。

作品のキーパーソンを演じる若手女優が続々ランクイン

  • 上半期に一気に知名度を上げた古川琴音(C)ユマニテ

    上半期に一気に知名度を上げた古川琴音(C)ユマニテ

 その他の順位を振り返ると、主演級ではなくとも作品の“キー”となる人物を演じた女優がTOP10内に並んだ。

 6位にランクインしたのは【古川琴音】。昨年10月期ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)で演じた中国人アルバイト、NHK連続テレビ小説『エール』の主人公夫婦の娘役のほか、4月期のドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)で有村架純演じる里穂子の妹役など、出演作を重ねるごとに、自身の存在感を発揮。立て続けの連ドラ出演で、上半期に知名度、注目度ともに一気に跳ね上がった。「ドラマでよく見かけるようになった。目元が印象的で、個性派女優になりそう」(千葉県/30代・女性)と、自然な演技力が注目されている。
  • ドラマ出演が続いた乃木坂46の山下美月

    ドラマ出演が続いた乃木坂46の山下美月

 また、乃木坂46の【山下美月】は、女優としての活動が評価され9位に。川口春奈主演の『着飾る恋には理由があって』(TBS系)で、プライム帯連続ドラマに初出演、川口の後輩役に抜擢。また山下は、バラエティ番組『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)内の連ドラでも主演を務め、その演技も評判を呼んだ。「再現ドラマから本物のドラマで役者をやっていても違和感なく見ていられる」(石川県/40代/男性)、「『ヒルナンデス』やバラエティ、ドラマなどでも活躍しており、乃木坂でもセンターを務めていて目にする機会が多かった」(神奈川県/20代・女性)と、20代の支持を獲得し世代別で1位になった。
 上位は安定的な演技力で、新しい側面を評価された女優がランクインしたが、下位にはフレッシュな顔ぶれも見られた今回のランキング。コア視聴率の評価が優先されるようになり、連ドラ界は再び、若者向けの“ラブコメ”が増加の傾向を見せている。非日常感を描くラブコメでは、瑞々しい演技が求められ、さらに新たな才能が個性を発揮していくケースも増えるはず。年末に発表される年間ブレイクランキングでは、主演以外から演技力が評価されたフレッシュな顔ぶれも期待できそうだ。
【調査概要】
調査時期:2021年6月3日(木)〜6月9日(水)
調査対象:計1000名(自社アンケートパネル【オリコンモニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコンモニターリサーチ
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