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日向坂46 小坂菜緒が愛する“あだち充作品&キャラクター”ベスト3 『クロスゲーム』で考えた「本当の“好き”って何?」

グラビアでは『H2』ヒロインと共演 「お父さんも喜んでました」

――2019年には『週刊少年サンデー』の巻頭グラビアで『H2』の古賀春華(こが・はるか)と共演していましたね。好きな漫画のキャラクターとの共演はいかがでしたか?
まさかの展開で、本当にびっくりでした。もちろん私もうれしかったんですが、お父さんがすごく喜んでいました(笑)。あと、応援してくださっているお父さん世代のみなさんも「懐かしい!」って喜んでくれました。

――このグラビアがきっかけでファンになった人もいるのでは?
そういう方もいましたし、ブログに「あだち充先生の作品が大好きです」って書いたことがきっかけで知ってくださった方も多いです。ファンのみなさんからお手紙が届くメッセージアプリで、「あだち充が好きなアイドルがいるって聞いて、興味を持ちました」っていう人がたくさんいらっしゃるんですよ。

『週刊少年サンデー』さんのお仕事につながったことも含めて、ブログに書いてよかったなと思います。いまは握手会の代わりにオンラインお話し会をやっているんですけど、「『クロスゲーム』のあのシーンが良いよね」ってお話しをしたり、共通の趣味があるとすごく楽しいです。

『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』にもあだち充作品との共通点 「想像の参考に」

映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(C)2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(C)2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

――ここからは『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』についてお聞きします。同作は、1998年の長野オリンピックを舞台に、金メダルを狙うスキージャンプチームを支えたテストジャンパーたちの葛藤と栄光を、実話に基づいて描いたオリジナルストーリーです。小坂さんが演じた女子高生テストジャンパー小林賀子(こばやし・よしこ)という役は、『クロスゲーム』のキャラクター・月島青葉に似ていると感じたのですが、いかがですか?
台本を読んだとき、同じことを思いました。青葉は野球が大好きで上手なのに、どれだけ頑張っても女性だからという理由で甲子園には出られない。この映画で私が演じた小林賀子も、スキージャンプが大好きでオリンピックの舞台に憧れているけど、その夢は叶わないんです。なぜなら、長野オリンピックが開催された当時はまだ男性のみが参加する種目だったから。そこでオリンピックの舞台を支えるテストジャンパーに全力を注ぐ。自分の思ったことを率直に口に出すところも、『クロスゲーム』の青葉と似てるから、心のなかを想像するうえで参考にできる部分もあったと思います。

――「やる気がないなら、帰ればいい」など他人に対しても厳しい役柄で、小坂さんの性格とはかけ離れているように感じます。普段、そんなこと言わないタイプじゃないですか?
絶対に言えないですね(笑)。だからこそ、自分では絶対にできないことをなんでもやる彼女に対して憧れのような感情もあって。役になりきるからこそできることを全力でやってみようと思って臨みました。

――最初のうちは探り探りだったと思うのですが、こうやればいいのかもしれないという感覚をつかめたと感じたシーンはありますか?
同じテストジャンパーの南川に対して「みんなの輪を乱すのは止めろ」って言うシーンがあるんですけど、普段の自分は同じことを思っても、絶対に口に出さない。南川には彼なりの事情があるのですが、私の役はそれを知らないので、勝手な行動をしてほしくないって気持ちを素直に出そうと思いました。「もし本当にこんな勝手な人がいたらムカつく!」って気持ちを込めて大声を出しました。

「私とケンカしたら、こうなるぞ」というのを見てもらいたい

映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(C)2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(C)2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

――普段は口に出さないぶん、溜め込んでいる感情もあるのでしょうか。
そういうこともありますけど、自分のなかで解決しちゃうタイプだから、人に対して怒ることはないです。怒ったとしても、その原因はどこにあるんだろうって追求するうちに、いつの間にか怒りの感情も消えちゃいます。だから劇中でお父さんとケンカするシーンでも、普段の自分なら思い切り感情を表現できないので、楽しんでやってみようという気持ちでした。

――過去にお父さんとケンカしたことはあるんですか?
1回もないです。家族とケンカしたことはまったくないです。なにか言われて「ムカつく!」って思っても、その原因は自分にあると思っちゃう。後でギクシャクするくらいなら止めておこうって考えたり、後先考えて行動しちゃうので、いろいろ溜め込んでいっちゃうタイプです。

だからお父さんとケンカするシーンでも、「お父さんとケンカってどういうことだろう。え、お父さんを突き飛ばすって……なにそれ、なんで?」という感じでしたね(笑)。

そのシーンの撮影現場でも躊躇しそうになったけど、「思い切りやっていいから」って言ってくださったので、「本気でいきます」と宣言して全力で突き飛ばしました。

――1テイク目からしっかり突き飛ばせましたか?
リハーサルでは、思い切りやったつもりでもまだちょっと弱かったみたいで(笑)。やっぱり、痛かったらどうしようって思っちゃったのかな。でも「痛くもかゆくもないから、もっと強く」と言ってもらって、本番ではドーン!ってやっちゃいました。

――お父さんが映画を見たら驚くかもしれませんね。
びっくりしちゃうと思います。「私とケンカしたら、こうなるぞ」ってところを見てもらいたいです(笑)。

田中圭の一言「菜緒ちゃんのやりたいようにやってみな」が背中を押してくれた

映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(C)2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』(C)2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

――いまの話を含め、共演者には経験豊かな俳優が多いですが、撮影を通して勉強になったと感じたことはありますか?
たくさんあります。演技の経験も少ないし自信もない。物語のカギを握る役なので、現場に入ってからもずっと自分に務まるのかなって不安な気持ちがありました。

演技で悩んでいるときには、山田裕貴さんが「こうしてみたらどうか」とか、田中圭さんが「思いっきりぶつけてみたらいいんじゃないか」といったアドバイスをくださって。

それまでは自分のことだけで精一杯になっていたので、そこからどうやってシーンの形を作ればいいのかまで頭が回っていなかったけど、それを考えられる余裕を作ってくださったと感じました。そこから冷静に役のことを考えて向き合えたので、すごく勉強になったと思います。

――アドバイスを受けて、自身でも手応えを感じたシーンはありますか?
劇中で唯一、「自分はオリンピックの舞台には立てない」って弱音を吐くシーンがあるんです。小林賀子の独白を、田中圭さんが演じる西方仁也(にしかた・じんや)がずっと聞いているシーンなので、自分がその場を引っ張っていかなきゃいけない。

せりふも長くて大変だったけど、田中さんが「菜緒ちゃんのやりたいようにやってみな」って声をかけてくださったことで、小林賀子の感情としっかり向き合えました。オリンピックの選手にはなれない悔しさと、テストジャンパーとはいえオリンピックの舞台に立てるうれしさが混ざった気持ちを語ろうと思って挑みました。

誰かのせりふに合わせる受けの演技とは違って、自分が起点になるシーンで少しは手応えを得られたと思うし、すごく勉強になりました。また機会があれば演技のお仕事をやってみたいと思っていて、今後にもつながる経験ができたと思います。
プロフィール
  • 小坂菜緒

小坂菜緒(こさか・なお)
2002年9月7日、大阪府生まれ。2017年8月に、けやき坂46の2期生メンバーとして加入。19年2月にグルーブ名が日向坂46に変わり、デビュー曲のセンターに抜てきされ、4作連続でセンターを務める。19年11月に公開された映画『恐怖人形』では、映画初出演で主演した。
作品情報

映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』

監督:飯塚健
脚本:杉原憲明、鈴木謙一
出演:田中圭、土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂46)/濱津隆之/古田新太

1998年長野オリンピック。日本スキージャンプチーム・通称“日の丸飛行隊”は国民の期待を一身に背負ってラージヒル団体で日本初の金メダルを狙っていた。
そこに、エース原田のジャンプを特別の想いで見守る男がいた。元日本代表・西方仁也だ。前回大会・リレハンメルオリンピックで西方は原田とともに代表選手として出場。
西方は日本代表最高飛距離135mを飛び、金メダル目前だったが、原田がジャンプを失敗。銀メダルに甘んじた。西方は4年後の長野オリンピックでの雪辱を誓い練習に打ち込み、代表候補として有力視されていたが、まさかの落選。悔しさに打ちひしがれる中、テストジャンパーとして長野オリンピックに参加してほしいと依頼される。
テストジャンパーとは、競技前にジャンプ台に危険がないかを確かめ、競技中に雪が降った際には何度も飛んでジャンプ台の雪を踏み固めるジャンパーのこと。西方は裏方に甘んじる屈辱を感じながらも、さまざまな思いを抱えて集まっていたテストジャンパーたちと準備に取り掛かる。そして、本番当日。団体戦の1本目のジャンプで、またしても原田が失敗。日本は4位に後退してしまう。しかも猛吹雪により競技が中断。このまま競技が終れば、1本目のジャンプの結果のみで順位が決定してしまう。そんな中、審判員たちの判断は、「テストジャンパー25人が全員無事に飛べたら競技再開する」というものに。奇しくも、日本の金メダルへの道は、西方率いる25人のテストジャンパーたちへ託されたのだった……! 小坂は唯一の女性テストジャンパーだった小林賀子役で出演する。
この記事について
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
⇒この記事をオリジナルページで読む(6月18日掲載)



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