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動画が計1000万再生を記録、なかやまきんに君CM反響のダイショーがコロナ禍だからこそ与えたい“しあわせの味”

  • SNSでトレンドにもあがるほど話題に。なかやまきんに君出演のCM(画像提供:ダイショー)

    SNSでトレンドにもあがるほど話題に。なかやまきんに君出演のCM(画像提供:ダイショー)

 先日開催された「第29回東京ノービスボディビル選手権大会」ミスター75キロ超級で悲願の初優勝を果たしたお笑い芸人のなかやまきんに君。その約2ヵ月前、自慢の仕上がった筋肉でなかやまきんに君が出演して注目を集めたのが、ダイショーのCMだ。お得意の「パワー!」を連呼し、焼肉に向かってパワーを送り続けるだけの内容なのだが、4パターン合わせて1000万回以上 の再生を記録、一時はトレンドワードのトップに君臨するほどの反響を呼んだ。コロナ禍で注目される“おうち焼肉”だが、なかやまきんに君を起用したダイショーに、焼肉のたれと「パワー」に託す思いを聞いた。

焼肉は決してメジャーではなかった、転機となったのは“牛肉の輸入自由化”

「これまでも印象に残るCM作りを心がけてきましたが、今回は、弊社が焼肉のたれの発売を開始してから55周年を迎えるということで、販促を兼ねて、振り切った内容のCMを作ろうと企画しました。大きな反響を得、好意的なコメントも多数いただいたことには、ひじょうに驚いているとともに、狙ってできることではないので、制作担当者一同、大変ありがたく思っています。なかやまきんに君の好感度の高さや人柄の良さも相まって、最後まで楽しんでもらえるCMになったと思います」(ダイショー広報室 森健一郎氏)

 なかやまきんに君が営業部長に就任し、広報活動にあたったダイショーの焼肉のたれ『焼肉一番』は、1960年代中頃から福岡市箱崎で焼肉店「大昌園」を営んでいた金澤俊輔氏が生みの親。妻と2人で経営する大昌園は、「小さいけれど、おいしい焼肉屋さん」として近所で人気で、「たれを分けてほしい」という来店者からの声を受け、1966年、「大昌食品株式会社」を設立、秘伝のたれを瓶に詰めて販売したのが始まりだった。

 もともと、海に囲まれた農耕文化の日本において、焼肉は決してメジャーなメニューではなかった。そんな中『焼肉一番』が発売された55年前は、高度成長期を迎え、家庭の食卓にも肉料理がのぼるようになった頃。ただし、当時はまだ牛肉は輸入自由化前で高価な存在。今のように“焼肉=牛肉”ではなく、豚肉やマトン、鶏肉、ハラミやホルモンなどを使うことも珍しくなかった。元祖『焼肉一番』もそういった多種な肉に合うよう味付けが考えられていたという。

「香辛料のほか、味が濃くなるような味噌などを少し強めに効かせて、いろいろな畜種に使えるような味付けが特徴でした」(ダイショー商品企画部 東京企画開発課 開地實氏)

『焼肉一番』の復刻、「みんなでお肉を楽しむ」商品の趣旨がコロナ禍にマッチ

  • 焼肉一番 CLASSIC 甘口

    焼肉一番 CLASSIC 甘口

  • 焼肉一番 CLASSIC 中辛

    焼肉一番 CLASSIC 中辛

  • 焼肉一番 柑橘

    焼肉一番 柑橘

 今回、発売された復刻版『焼肉一番』も特徴は同じ。『焼肉一番 CLASSIC 甘口』はみそ・ねりごまでコクを増したしょうゆベースのたれに、香味野菜のうまみを加え、ゴマ油で風味よく仕上げた伝統の甘口だれ。『焼肉一番 CLASSIC 中辛』はさらにそこにコショウ・赤唐辛子を効かせたピリッとした味わいが特徴。『焼肉一番 柑橘』は、ニンニク・香辛料の風味を効かせ、柑橘果汁の酸味と苦みで脂身の多いカルビ・豚バラから、牛タン・鶏肉など淡白な肉にも合う味となっている。

 しかし、今、なぜ、復刻版を発売したのか。その引き金となったのは、コロナ禍だった。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、自宅で調理して食べる内食の機会が増加。ホットケーキやたこ焼きなど、家族みんなで楽しめるメニューが人気を集める中、“おうち焼肉”の需要も増え、ダイショーでも、焼肉のたれを含む家庭用のたれ類としては、前年比で約1割売上が伸びたという。

「弊社の現在の主力商品は、牛肉を美味しく食べられる『秘伝(R)焼き肉のたれ』ですが、コロナ禍、内食需要が増えていることを受けて、ご家庭でいろいろなお肉を楽しんでいただきたいと考えるうちに、弊社の第一号商品の『焼肉一番』がそういう趣旨だったよねという話になりました。創業55周年を迎えることもあり、この機会に一度、昔の味を思い出して、当時のような食べ方でいろいろな肉を楽しんでいただけたらという思いで開発に取り組みました。長引くコロナ禍において、みなさんが食事を楽しむ機会を少しでもサポートできる商品にしたいと思いました」(開地氏)

「みなさんに継続してパワーを与えていくことがモットー」

 創業者の金澤氏が55年前、『焼肉一番』の発売をきっかけにダイショーの企業理念としたのは、「おいしさで・しあわせをつくる」。まさに、コロナ禍の今にふさわしいメッセージだ。さらに、キャッチフレーズに使っている「パワー」は焼肉のイメージの大きな特徴だが、こちらもコロナ禍で元気を失っている世の中を勇気づける言葉といえるだろう。

「お肉を食べることについての意識調査をすると、“力をつけたい”“スタミナをつけたい”“元気になりたい”“夏バテ予防”といったワードがあがってきます。そのことからもわかるとおり、焼肉には“パワーをつけたいメニュー”という観念があります。それとともに、肉食が贅沢メニューだった55年前から今も変わらず、焼肉は、世代性別を問わず、みなさんに幸せを感じてもらえるメニューでもあると思います。その考えのもと、弊社では、焼肉をより美味しく、パワーがつくメニューにするためのサポート商品として、また、みなさんに幸せを与える商品として、焼肉のたれをはじめとする調味料の開発販売を手掛けています」(開地氏)

 1991年の輸入自由化により牛肉の価格が一気に低下し、安価で気軽に食べられるようになったことを受け、同社では、これまで様々なたれを開発販売してきたが、今後も時代のニーズに合わせて、「みなさんに継続してパワーを与えていくことをモットーに、開発を進めていきたい」と意欲を語る。

 甘口・中辛・辛口といった辛さの違いだけでなく、カルビなど牛肉の人気の部位をピンポイントに狙った商品、九州風・東京風・名古屋風といったラインナップも手掛けてきた同社。現在は、『焼肉一番』や『秘伝(R)焼肉のたれ』、にんにくしょうゆ味と香味野菜しょうゆ味を揃えた『焼肉通り』のほか、消費者の健康志向の高まりに対応した『糖質オフ 焼肉のたれ』など、多彩な商品を揃えている。

 ワクチン接種が始まったとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大の先行きは未だ不透明。日常の楽しみが制限される中、家族で囲む機会が増えている食卓の現状は、コロナ禍における一筋の光明であるとも言える。しあわせとパワーを養う“おうち焼肉”に、これからも期待したい。

(取材・文/河上いつ子)

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