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「子どもまで巻き込んで…」幼稚園の先生と夫が不倫…サレ妻が怒りの復讐、読後スッキリ漫画作者の想い
「味方だと思っていたのに…」信頼していた幼稚園の先生が不倫
「実話ではなくフィクションですが、こういうことをされたら嫌だな、こういう人がこういうことをしたらすごく怖いな、ということをイメージして描きました。清廉潔白なイメージがある幼稚園の先生が豹変していったら、怖いけど惹きつけられる。主人公が主婦だから(読者層と)接点もたくさんあって、子どもが絡んでいったらますますドロドロになると考えたんです」
狙い通り、読者からは、「こわい」という声が多数。さらに大暴走の浮気相手と、平然と嘘をつき続ける夫に、連載途中から「旦那も浮気相手も酷い目にあえばいい」「旦那と先生にはバチが当たりますように」という声も多く寄せられた。
そんな読者の期待に応えて、後半は、主人公の爽快な復讐劇が展開するのだが、「最後は絶対モヤモヤさせない」というのは、はやしださんの漫画家としてのポリシーでもあった。
「ある漫画の『このあとは読者のご想像におまかせします』というラストに納得がいかず、私なら絶対にそんなことはしない! と思って漫画家を目指しました。今もその想いは、漫画を描くポリシーになっています。ハッピーにしろ、アンハッピーにしろ、結論を出して読者にスッキリしてもらいたいです」
「この屈辱は一生忘れない…」という思いを胸に、不倫サレ妻が実現した爽快な結末に、ネット上には、「主人公が幸せになってスッとした」「義母と夫は後悔したのでは?」などの声が多数。幸せな家庭を滅茶苦茶にした2人への制裁に、読者が溜飲を下げる作品となっている。
浮気サレ夫、したたか妻の裏切り行為に「徹底的に追い込んでやる!」
自撮りした裸体の画像をLINEでやりとりするなど、生々しいエピソードがふんだんに描かれるが、本作の主人公の不倫サレ夫は作者の知人男性がモデルだという。漫画にしようと思ったきっかけをセモトさんはこう語る。
「よくある映画やドラマなどでは不倫する側が主人公の創作物が多いですよね。そちらが主観だと、主人公に感情移入するように美しく描かれます。それはそれでエンターテインメントとしてはとても楽しめるのですが、現実の不倫はパートナーを傷つけるだけでなく、社会的責任や金銭面でも思い代償が伴います。
意外とリアルに既婚者と恋をしている方は、そのことを把握していない人も多いので、ここで濃いエピソードを一発おみまいして、不倫をしたらどんな結末が訪れるのか、読者さんに疑似体験してもらおうと思ったんです」
「不倫を美しく描かない」というモットーから、リアルをとことん追求。会社への告発や、慰謝料や法的な面をはじめ、不倫に対する考え方の男女差など、綿密な取材に基づいた真に迫った描写が続く。
「された側の男女差でいうと、結婚相手に不倫された場合、男性はとにかく落ち込むけれど、女性は一緒にいるのも気持ち悪いからさっさと離婚に向けて動き出すケースが多いようです」
本作でも、専業主婦だった上司の妻・梢は、夫の浮気をきっかけに、離婚に向けて自立するべく奮闘する。
「梢を応援する声はたくさん寄せられました。一方で、不倫されてもなお、妻を心配する主人公に対しては、『女々しい、さっさと制裁を加えてほしい』という声が多くて。私としては、不倫のリアルな実態を描いているつもりなんですけど、世論は厳しいなと思いました」
そんな主人公も、やがて復讐心に燃えて、妻への逆襲へと動き出す。
「『不倫をした妻への制裁が足りない』という声をたくさんいただきましたので、そこはみなさんに楽しんでいただこうと」
不倫の代償を疑似体験できるとあって、本作を読んで「怖くなって不倫をやめた」という人もいるという。
芸能人の不倫スキャンダルが相次いで報じられ、インターネット上では不倫体験を赤裸々に告白する女性も増えている現代。不倫がよくある話になればなるほど、不倫を美しく描くのではなく、不倫がもたらす悲劇や代償を描いた「不倫したくなくなる漫画」は、今後も増えていくのかもしれない。