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星野源「生まれ変われるのは生きてる間だけ」 病で倒れた経験から想う“生かされた意味”

衝撃を受けた任天堂開発者の言葉 “死の淵から生還した”星野源がマリオに重ねた想い

――具体的にはどのような影響を受けたのでしょうか。

【星野源】 ゲームボーイの開発やファミコンのコントローラーの十字キーを考案された元任天堂のゲーム開発者・横井軍平さんの「枯れた技術の水平思考」という言葉を15年ぐらい前に知って、大きな衝撃を受けました。技術は時代とともに進化していきますが、新しい技術に飛びつくのではなく、ものの考え方やアイデアによって新鮮味のあるものを作ることができるのは素敵だなといつも思いますし、僕の音楽の作り方もそうでありたいと思っています。

――「創造」の歌詞の「僕は生まれ変わった 幾度目の始まりは 澱むこの世界で 遊ぶためにある」、「死の淵から帰った 生かされたこの意味は 命と共に 遊ぶことにある」という部分には星野さんの経験と、これからも音楽で遊ぶことをやめないという意志を歌にされたのかなと思ったのですが。

【星野源】 マリオってゲームの中で何度も死んで、その度にリスポーンしてやり直しますよね。何度失敗してもやり直して、ゲームとともに進化しているマリオと、自分が“音楽の表現の変化を繰り返すことで前に進んでいる”ことを重ね合わせながら書きました。「死の淵から帰った 生かされたこの意味は〜」に関しては、僕が過去にくも膜下出血で倒れて、死というものを凄く身近に感じた経験が投影されています。生かされたからには “もっと挑戦する遊びをしよう”と思ったことを歌にしました。人生は一度しかないので、どんどん面白いことをしていこうと。生まれ変われるのは、生きてる間だけですからね。

“何かをずっと背負っていた”30代 40歳になった今は「ひとつステージが変わった」

――先日40歳を迎えられましたが、何か気分的な変化はありましたか?

【星野源】 誕生日からまだ数日しか経ってないので全く実感はないんですけど、39歳になってから“40歳はどうなっていくんだろう?”とは思っていましたね。ちょうど誕生日の前日に「創造」が完成したんですけど、何かひとつステージが変わった感じがあったんです。これまでずっと背負ってきたものがパッとなくなった感覚になったというか。いまはホッとして落ち着いていますし、地に足がついてる感じがします。

――地に足をつけながらも、新たな変化を楽しむ40代になりそうですね。

【星野源】 そうですね。30代最後となった昨年は、自粛期間中に「うちで踊ろう」を作りました。今も不安な状況が続いていますが、一日でも早く収束することを願いつつ、自分にできることを模索しながらやっています。昨年は俳優業で忙しい一年だったので、今年に関しては音楽活動をしっかりと沢山やりたいなと。自分が楽しいと思えるような音楽を1曲1曲丁寧に作っていきたいですし、制作しながら未知のものを発見していけたらいいですよね。

(取材・文/奥村百恵)

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