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『エンタ』芸人“その後”の生き方、ゴミ清掃・滝沢秀一が語る境地「捨てられた人間もリサイクル可能」
収入悪化、「もう芸人を廃業しよう」と飛び込んだゴミ清掃業界
――この10月、小泉環境相から『サステナビリティ広報大使』に任命されました。
滝沢秀一驚きですよね。ゴミについての広報活動が評価されたようなのですが、先日、第2号として武井壮さんも任命されました。本当に恐縮ですが、頑張ってやっていきたいと思っています。芸人をやってたつもりなのに、いつの間にか活動家みたいになってますよね(笑)。
――テレビ出演も増えてますね。
滝沢秀一今後は、ゴミエンタテインメント、ゴミ芸でやっていきたいなと思ってます(笑)。芸能界の端っこに居させてもらえればいいな、と。お陰様で忙しくさせていただいていますが、ゴミについての広報活動も行っているということで、ゴミ清掃会社にも理解をいただいて両立できています。
――ゴミ清掃会社に入ったきっかけは、奥さんの出産費用のためだったんですよね?
滝沢秀一はい。収入が悪化して貯金もなく、そんななか妻は高齢出産だったので40万円かかると聞いて。当時僕は36歳だったんですが、世の中って35歳を超えるとバイトも見つからないんですよ。それを知らなかったので、もう芸人を廃業しようとも思いました。でも、芸人を辞めた友人のつてで、なんとかゴミ清掃業界に入れてもらえることになりました。
テレビで観た後輩の台頭に焦り、「俺、もう必要ねえだろう」
滝沢秀一あまり感謝されているという体感はないですね。反対もされなかったですし。まあ、お金持ってくりゃ何でもいい、みたいな感じなんでしょうかね(笑)。
――ちなみに、収入はどう変化しましたか?
滝沢秀一10年前、お笑いだけで食っていたときは月70万円くらいいただいていたんですが、番組が終わるとどんどん下がっていくんですよ。8年前、ちょうど妻が妊娠した頃が最底辺。ゴミ清掃では月20万円ほどもらえます。僕も、最初は芸人で一発当てようとしていたんですが、次第に「お金があればお笑いが続けられる」って、手段と目的が逆転して嫌になってきて。ゴミ清掃を始めて2〜3年は、本当にきつかった。テレビを観ても、下の世代がどんどん出てくるし、「俺、もう必要ねえだろう」と。そのあたりから、ゴミ清掃を本気でやろうかと思い始めました。いつかバラエティのワンコーナーで、「ゴミを早く回収できます」と一芸で出られたらいいな、ぐらいは考えてましたけど。
――なんでも芸に生かせますからね。
滝沢秀一そうそう。「ゴミあるある」をSNSで載せ続けた結果、こうして取材を受けたりできるようになった経緯もありますし。