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「これ新車ですよね…」中古車写真に異変? 田舎販売店が“スタイリッシュ在庫写真”を撮る理由

情報を羅列しただけの中古車サイトは5分で飽きる

 オートサロンイイダは、「クルマのことならなんでも」をモットーに今から約18年前、クルマ好きだった父親が創業した“町の小さなクルマ屋さん”。自身もクルマが好きで、ディーラー販売店勤務を経験した後、父親の店を手伝い始めたという。

「親子してスポーツカーが好きなので、シビックやロードスターなど、在庫車にはその傾向が出ていると思います」と語る一方で、「田んぼが多い地域柄、軽トラックの需要も高い」と飯田氏。凝った写真を撮り始めた当初は、「『軽トラを一眼レフで撮っている人、初めて見た!』と言われました。懐かしい思い出です」と軽快に笑う。
 そんな飯田氏の思いが込められた写真たちが「この店、撮り方凝りすぎ」「写真が素敵すぎて買いたくなる」というコメントとともにSNSで取り上げられたところ、「クルマたちが生き生きしている!」「こんなお店だったらクルマ買ってもいい」など1万3000もの“いいね”が殺到。実際に写真に惹かれてこの店で購入した人も現れるなど、話題となった。

 中でも多いのが「(撮影者が)クルマ好きなのが伝わってくる」という感想。それが的確な指摘であることは、とくに反響が大きかったマツダロードスターの写真についての、飯田氏のこんな発言に表れている。

「ロードスターは正面から撮るととてもかわいらしく癒やし系なお顔ですが、硬派なイメージで撮ったらどうなるかなと。そんなふうに実験を重ねて撮った写真は反響が大きいですね」
 構図だけでなく、陰影やぼかしなども巧みに活用。「大手家電メーカーの冷蔵庫のHPなどを見て、参考にしている」という。

 そのこだわりから、中には車の外観の一部しか写っていなかったり、車が一切写っていないイメージ写真も。中古車販売サイトの場合、クルマの状態がリアルにわかることが求められるだけに、“情報としての写真”に特化したほうがいいと考えるのが普通だが……。

「もちろん、それもいいと思います。ただ、整然と情報を羅列したのでは、せいぜい5分もスマホを見ていれば飽きてしまいます。サイトで将来の愛車となるクルマを探すとか、クルマを眺めるという行為は、クルマ選びの大きな楽しみです。何を買おうとか、どれがいいかなぁとか、こういうカスタムにしたらきっと……とか、どれも期待に満ちています。そのワクワク感を大切に、もっとワクワクさせられないかなと考えていたら、今のような形になっていました(笑)」
 それはドアノブやシート、ハンドルなどの部分写真でも同じ。

「わかりやすくを一番に心がけていますが、無難な構図、安心する構図ばかりだと飽きてしまうので、たまに不安定な構図を入れたり、ぼかしや陰影を取り入れたりして、工夫しています」

 もちろん、得たい情報をきちんと押さえることも忘れない。

「写真がきっかけで購入を決めてくれたり、来店いただいたりすることが多く、うれしい反面、期待が大きいと感じているので、ガッカリさせてしまうことがないよう、傷やサビ、下回りの状態など、“中古車あるある”のマイナスポイントもしっかり写真で伝えるようにしています」

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