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“お手伝い感覚”の夫に「育児は私だけ…」母親の役割にモヤモヤ、漫画作者語る違和感
旦那を“ディスってスッキリ”では解決しない
耳たぶさん切り出したこともありました。フルワークだったので、「いつでも離婚できる」は私の精神安定にはとても役立っていました。ただ、それ自体は夫の変化のきっかけではなかったように思います。私の場合は冷静に訴えるというよりは、ずっと怒り続けてました。だから夫も居心地が悪くて、変化せざるを得なかったんでしょうね(笑)。
──ただ、ぶつけているのは「理不尽な怒り」ではなく、社会問題にも通じています。
ゆむいさん私もそこが漫画に描きたいと思った理由だったんです。重要なのは、耳たぶさんは決して夫をディスってるわけではないことなんですよね。最近、男性をディスってスッキリ、みたいなネットコンテンツが増えているじゃないですか。あれはちょっと危険だと思っていまして。
──たしかに男女の分断を生んでしまうだけでは、なんの解決にもならないですよね。
ゆむいさん『夫の扶養〜』もいろんなところで「モラハラ夫、最低」などと取り上げていただいたんですが、漫画の中で私は一度も「モラハラ」というワードは使っていません。大事なのはディスってスカッと終わるのではなく、きちんと話し合って齟齬を埋めていくことだと思うんですよね。耳たぶさんのように。
耳たぶさん私は怒っていただけですが…(笑)、自分の意見を相手に伝え、相手の反応を受けて自分がどう選択するか。そういったコミュニケーションの繰り返しでしか、状況の変化はなし得ないと思っています。
──ゆむいさんは今後、どのような漫画を描きたいですか?
ゆむいさんさっきも言ったように、読んでただスカッとさせるための「作り話」はあまり好みではありません。本作のように、個人の経験を広くシェアすることで、社会をより良いステージに持っていけるような漫画を描いていけたらいいなと思っています。