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群雄割拠は終焉? 変わる“フリーアナ”のスタイル 元NHK・内藤裕子が語る「自分らしい生き方」

カレー大学院を首席で卒業した元NHKアナ・内藤裕子

カレー大学院を首席で卒業した元NHKアナ・内藤裕子

 元NHKアナウンサーの内藤裕子が、テレビ朝日の人気バラエティ番組『家事ヤロウ!!!』で“ガチ”なカレーマニアぶりでTwitterトレンド入りするなど大きな反響を呼んでいる。NHK風の品のある落ち着いた語り口調でディープなカレー愛を語る姿に「面白すぎる!」と司会のバカリズムも大絶賛だった。女性フリーアナの業界は、テレビ局をまたいで露出を狙う、まさに弱肉強食の様相を呈しているようだが、そんななかでも独自の活動を貫き“好きな仕事”をイキイキと追求している内藤。フリー転身の思いと現在の心境を聞いた。

止まらないカレー愛 NHK退職後“カレー大学院”を首席で卒業

──『家事ヤロウ!!!』での出演は、民放バラエティと“NHKっぽさ”のギャップにSNSでも「こんなに面白キャラだったのか」と大反響でした。

内藤裕子完全に素なんですよ(笑)。打ち合わせで番組スタッフさんから「そのままでお願いします」と言われましたので、普段と同じようにカレーを作りました。

──大事なことを話すときのカメラ目線もキマっていました(笑)。

内藤裕子あれはNHK時代のクセですね。カメラの向こうにいる1人1人に語りかけることを意識しなさいとずっと習ってきたので、あの放送は(コロナ感染防止のため)自宅に設置したカメラでの1人収録だったんですが、ついクセが出てしまいましたね(笑)。

──NHKを退職後にカレー大学院を首席で卒業されたのですね。

内藤裕子カレー専門家の養成機関で、レシピはもちろん、カレーの歴史や社会学、調理学などあらゆる側面から半年間がっちり学びました。知れば知るほどカレーへの思いが深まっていって、ほぼ毎日、朝昼晩とカレーを作ったり食べに行ったりしていました。

──そこまで駆り立てたカレーの魅力とはなんだったのですか?

内藤裕子カレーは、最高のコミュニケーションツールなんですよ。NHK時代にリポーターを務めていた『あさイチ』では、全国各地を飛び回るロケをしていました。そこで、新しいスタッフとお仕事をさせていただくことも多かったのですが、カレーの話題がスタッフの間の距離感をグッと縮めてくれたんです。親に作ってもらったカレーや、給食、キャンプ、こだわりの一品など、誰しもカレーの思い出ってあるんですよね。

大事故に巻き込まれ命拾い…「じっくり人生と向き合う」ためにフリーへ転身

──NHK退職時に、すでにカレーをライフワークにするおつもりだったのですか。

内藤裕子いえいえ全然。退職は2017年で40歳。一度立ち止まってじっくりと自分の人生に向き合ってみたいと考えたからでした。辞めた時点で先のことは何も決まっていませんでしたが、きっかけの1つは2010年に私の一番の応援団だった母を病気で亡くしたこと。もう1つは2013年、仕事からの帰宅途中に事故に巻き込まれて九死に一生を得た経験でした。

──この事故ではバイクに乗った男性が亡くなり、内藤さんも全治1ヵ月の重傷を負われました。

内藤裕子車止めのポールにバイクが跳ね返されたおかげで、私に直撃しなかったんです。もしそこにポールがなかったら即死だっただろうと、警察も「奇跡的だった」と話していました。けれど、亡くなったのはお若い方で…。人生は一度きり、いつ幕が閉じてもおかしくないということを強く思い知らされましたね。18年間在職したNHKは本当に素晴らしい組織で、この2つの経験がなかったら辞めるなんて考えもしなかったと思います。

──現在はフリーアナとして活躍されていますが、フリー転身は念頭にあったのですか。

内藤裕子それも辞めた時点ではなかったですね。とにかく家族に恩返しをしようと、それまでおろそかにしてきた家事に専念しました。そんなNHK時代からは想像できないゆったりした日々も3ヵ月ほど経ち、そろそろ自分の人生の腰を上げようと考えていた頃に、偶然友人から「カレー大学院が開講されるんだけど一緒に行ってみない?」と誘われたんです。

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