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「狂気じみてる」「尖っている」と反響多数、担当者が明かす日清食品CM戦略の秘密
「責任はかぶるから、好きにやって」と言わないと、作り手はハメを外してくれない
CMなどは広告代理店や制作会社が作っていると思われがちだが、日清食品ではブランドコミュニケーションの根幹となる部分について、そのほとんどを社内で設計しているという。「あくまでも“モノ”を売るためのコミュニケーションでなんです。CMやSNSの投稿などを目にした消費者の頭の中にブランドのイメージを刷り込み、店頭で思わず商品に手が伸びるようしたい。消費者のマインドシェアを獲得するためには、他ではやっていない、他には真似できないものでないといけない。だが、依頼主である我々が「責任はかぶるから、好きにやってほしい」と言わないと、作り手もハメを外してくれない」のだという。
そんな日清食品だが、2000年代以降、CM広告出稿量ランキングにその名がない。意外にも、テレビでCMを見かける機会自体は減っているということだ。これについて米山さんは「出稿量が多ければいいという時代ではなくなりつつある」と話す。「今は“何を”“どこで”伝えるかに考えの中心が シフトしています。そんな時代で注目すべきなのは、やはりSNSです。SNSのいいところは、「(メーカーではなく)自分の信頼する友人が“美味しい”と言うから食べてみよう、“面白い”と言うから見てみよう」と思えるところ。 ですから、SNSで“バズる”ことは常に意識しています」
日清食品のブランドコミュニケーションの根底にある想いは、「人を楽しませ、喜ばせる」こと。「最近、社長からは“尖った路線”にもちょっと飽きてきた、なんて話も出てきています。ですから、今後も我々にしかできないような手法で、世の中を賑わせていきたいですね」と米山さん。今までの路線とは違ったものとして、果たしてどんなCMが飛び出してくるのか。今後も日清食品のCMが世間を騒がせそうだ。
(取材・文/衣輪晋一)