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芸能人の「薬物検査」は人権侵害か? 沢尻逮捕で広がる波紋…専門弁護士に聞く「権利と義務」

NHKがダイレクトに沢尻容疑者に損害賠償請求することも可能

  • 芸能人の権利を守る 日本エンターテイナーライツ協会』の発起人である佐藤大和弁護士 (C)oricon ME inc.

    芸能人の権利を守る 日本エンターテイナーライツ協会』の発起人である佐藤大和弁護士 (C)oricon ME inc.

――こうした手順を踏めるならば、薬物検査を導入することのデメリットはなさそうですね。

佐藤弁護士 今後はそうなっていくべきだと思います。芸能の世界をクリアで透明性のある業界にしておかないと、結局、損害は誰が被るのかということになります。薬物によって逮捕され、作品がお蔵入りになるなどした場合、損害賠償請求は出演契約をした芸能事務所もしくは事件を起こした当事者(タレント本人)にいくかもしれませんが、それが払えなかった場合、最終的には制作会社が負担することになる。下手したら会社が倒産してしまいます。

――今回のような事件が起こり、再撮になった場合に多額の費用が発生すると思うのですが、実際に損害賠償請求はどのようにされるのでしょうか?

佐藤弁護士 第一次的には、制作側(テレビ局)から芸能事務所に損害賠償請求がされると思います。今回について言えば、出演契約はNHKと沢尻さんの所属事務所の間で結ばれている。だから、契約に基づく損害賠償は、基本的には芸能事務所側にしていきます。その後、芸能事務所がタレントに対して損害賠償請求をしていくという流れですね。たた、不法行為に基づく損害賠償請求というのもあります。契約のない関係でも、自分たちに対して不法な行為をした人に対して損害賠償請求はできる。その意味では、NHKがダイレクトに沢尻さんに損害賠償請求をすることは可能です。

事務所が賠償を肩代わりした事例も…、リスク回避のためにも検査は必要

――タレント本人に支払い能力がない場合は、所属事務所が肩代わりするという形の決着なのでしょうか?

佐藤弁護士 そうですね。これまでも、同様の事例はあったと思います。だからこそ、そういったリスクを背負わないためにも、芸能事務所は定期的に薬物検査を行う必要があるんです。セミナーなどを開いている事務所もあるようですが、やはりセミナーと講習、薬物検査等はセットで考えていったほうが良いと思います。コンプライアンスは徹底していくべきだし、芸能人に「権利と義務」を教えていく必要があります。研修義務は人権侵害ではないので、しっかり課していくべきです。

――薬物検査はもちろんですが、こういった事件が起きないようにするためには何が必要なのでしょうか?

佐藤弁護士 芸能界をクリーンにして、エンタテインメント業界を健全にすることが、日本のソフトコンテンツを世界に示していく土壌作りになると思います。今こそ、芸能界特有の家族的な感覚ではなく、会社として、ビジネスとして律していくべきだと思います。

(文・磯部正和)
<プロフィール>
佐藤大和(さとう・やまと)。レイ法律事務所代表弁護士。2017年に、芸能人の権利を守る団体である「日本エンターテイナーライツ協会」を立ち上げ、共同代表理事を務める。エンタテインメント、芸能法務、マスコミ対応、企業法務、第三者委員会の対応などが得意分野。厚生労働省「過重労働解消のためのセミナー事業」委員。これまで、『バイキング』(フジテレビ系)、『モーニングCROSS』(TOKYO MX)など、メディアにも多数出演。

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