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“「憮然」5割超が誤用”は本当に誤用?時代とともに変化する“正しい日本語”とは
『広辞苑』も時代の流れとともに意味を追加・削除、表記順も“正しい順”ではない
昨年10年ぶりの改定となった第七版では、“ことばは、自由だ。”というキャッチコピーとともに「自撮り」「婚活」「ちゃらい」などの約1万語が追加され、「炎上」の意味は「1.火が燃え上がること」に加え、新たに「2.インターネット上で、記事などに対して非難や中傷が多数届くこと」が明記された。一時的に使われているだけか本当に定着したか判断しかねるため、今回は追加項目として「ディスる」「ツンデレ」は見送られたという。
辞書も時代の流れとともに新たに定着した意味を追加したりしているのだから、一般的に使われている意味が古くから使われている言葉とは違うために“誤用”と捉えるのは早計かもしれない。実際、“間違いやすい日本語”としてよく取り上げられる「姑息」は広辞苑で最初に示されている古くからの意味「一時のまにあわせ」が正しいとされるが、実は誤用とされる「卑怯なさま」も2番目に表記されているのだ。
まもなく年末となると注目されるのが、毎年ユーキャンから発表されている「新語・流行語大賞」。おととしは「忖度」、昨年は「そだねー」が選ばれ、今年も「タピる」「闇営業」「にわかファン」などがノミネートされ話題となっているが、時代の流れとともに言葉も意味も変化する中で、その言葉の本来の意味に縛られるのではなく、“正解は一つとは限らない”、“言葉は変化する”という認識を持つことが、多世代・他地域とコミュニケーションをとる上で大切なのではないだろうか。