• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • 「家庭での性教育が子どもを救う」元看護師の女性が“とにかく明るい性教育”続けるワケ
ORICON NEWS

「家庭での性教育が子どもを救う」元看護師の女性が“とにかく明るい性教育”続けるワケ

「あなたが大好きよと、声に出して伝える。お子さんへの愛情を注いでほしい」

――3歳だと、伝えたこともすぐ忘れてしまいそうですよね。子どもにどのように伝えていくのが大事なのでしょう?
のじまさんまず、体には“自分だけの大切な場所”があることを教えていきます。それは「口」と「胸、性器、おしり」です。「胸、性器、おしり」は水着を着たら隠れるので、「口」も含めたこの4カ所を「水着ゾーン」と分かりやすい言葉で伝えています。「水着ゾーン」だけは他人に見せても触らせてもいけない、自分だけの場所だと教えるんです。それは友達にとっても大事な場所であること、外で水着ゾーンに関する話をしたり、見せたりしてもいけないということを繰り返し言い聞かせます。そのかわり分からないことがあったら、何でも親に聞いてねと。

――確かに、親には質問してもいい、家では話してもいいということにすれば、習った単語を外でつぶやくんじゃ…と心配しなくて済みそうですね。
のじまさんそうですね。「私には話していいんだよ」と言うと疑問に思ったことを素直に伝えてくれるので、誰かに触られるようなことが万が一あっても、ちゃんと教えてくれるようになります。

――実際に「赤ちゃんってどうやってできるの?」「〇〇って何?」と不意に質問された場合、きちんと説明ができるのか不安という声もあります。
のじまさん確かに「性交」や「受精」といったワードを子どもの前で口にすることに、恐怖感を抱く親御さんもいらっしゃいます。まずは親が性教育に関するワードに慣れることが必要です。当協会では「性教育カード」というトランプのような教材を用意しています。ウサギやカエルや人など様々な種類の「雄」「雌」「交尾(性交)」のカードを3つ揃えて、大きな声で「受精!」と叫んでもらうゲームです。お子さんと一緒にゲームすれば、どうやって赤ちゃんができるのか楽しみながら伝えることができますし、性に関するワードを言うことに親御さんも慣れてくれるんです。

――性の話をすることで、親が気を付けるべきことは?
のじまさん重要なのは、性教育は命の授業でもあるということです。「生まれてきてくれたことが奇跡」「あなたが大切なんだよ」と、子どもの心に愛情をたくさん与えてあげることが大切です。欧米は愛情表現がストレートですが、日本では言わぬが美徳という文化もあります。「大好きだよ」とお子さんに言えない親御さんもたくさんいます。でも愛情は、言わなきゃ伝わらないんです。大きくなるにつれて、受験、恋、スポーツ、自分の容姿など悩むことはたくさん出てくるはず。何か子どもがつまづいたときに、親からの愛情が必ず助けになる。そう思って、お子さんに愛情を注いでほしいですね。

学校ではできない性教育「皆の“当たり前”になるよう裾野を広げたい」

――学校における性教育の現状はどのようになっているのでしょうか?
のじまさん中学校で「性交」や「セックス」「コンドーム」という単語は、指導要領のなかに載ってはいません。学校の現場に行くと、先生方は「私たちは性教育はできません」って公表されるんです。学校ではやりませんと。家族形態も多様になっているなかで、その子の環境を考慮した対応ができない。だからご家庭でお願いしますとなる。それが今の現状です。学校教育に性教育が入るというのは、これから10〜20年ほどかかるとは思っていますが、家庭、社会、地域の3点で“性の教育”を確立していけたらと思っています。

――今後やりたいことは?
のじまさんまだまだ性教育はやらなくていいものだという声がたくさんあります。学校に行くのが当たり前のことであるように、学校でも性教育が学べるという認識がつくように、活動していきたいです。現在協会には200名以上のインストラクターが全国にいますが、その数をもっと数を増やして“性教育”の裾野を広げていきたいですね。

『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)

 性教育アドバイザーで元泌尿器科看護師・のじまなみ氏が、我が子を性犯罪の被害者にも加害者にもさせないための「家庭でできる性教育」を手ほどき。全国で行われる講演会は常に「爆笑」と「涙」に包まれる著者のエッセンスを抽出した、子育て世代必読の書です。

ご購入はこちらから
【Amazon】(外部サイト)
のじまなみ Nojima Nami
性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」代表理事。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。夫と3人の娘の5人家族。「子ども達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立。国内外4000名のお母さん達に、家庭でできる楽しい性教育を伝える。2018年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」(外部サイト)設立。2019年1月現在インストラクターは海外含め200名以上、講座は4000名以上が受講。楽しく遊びながら性教育ができるオリジナルカードの開発も手がける。2019年1月現在メルマガ読者1万800人超。NHK首都圏ニュース、NHK BSプレミアム「専門家だってヒトゴトじゃない! 」、新聞各社、The Japan Times、ドイツ国営放送など国内外のメディアから取材を受ける。幼稚園・保育園・小学校からの要請を受け全国で講演多数。
Blog:https://ameblo.jp/naminon81/(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

 を検索