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タカラトミーの “中の人”、他企業もユーザーも虜にするTwitter戦略は「消費者目線」

 24万人以上のフォロワーを有するタカラトミーの公式Twitterアカウント(@takaratomytoys)。同社といえば、子どもから大人までを虜にする玩具がウリだが、Twitterでは商品の人気だけではなく“中の人”のつぶやきにも注目が集まっている。昨今ではSNSでの炎上を恐れて、使い方に悩み閉鎖をする企業も珍しくないが、フォロワーや他企業のアカウントにも気軽に話しかけていく。そんな、タカラトミーの“中の人”が、企業としていかにSNSを駆使して盛り上げているのかを探った。

担当歴4年目、ツイートのマイルール「ユーザー側の立場になって語る」

 同社がTwitterを本格運用して4年。元々はおもちゃ売り場をめぐったり、販促企画を考えたりと、“中の人”はアナログな仕事をしていた 。投稿権限のある者は他にもいるが、1日10〜15回のツイートやリプライをメインで行なっている。一見、自由にも見える日々のツイートにも大企業のルールと“攻め”へのこだわりがある。

「会社として『ソーシャルメディアの利用に関するガイドライン』を設定しているので、そのルールに基づいています。ただそれはどちらかというと『守り』のルールなので『攻め』のルールはトライ&エラーを重ねながら確立していきました。140字ツイートできるとはいえ、制限いっぱいに文字を埋めても、タイムラインの流れが速いTwitterではパッと見て何が言いたいかわからないので『なるべく端的に伝えた方がよい』などは長い文も短い文も試した結果わかったことです」

 企業Twitterには商品紹介のツイートが多いが、“中の人”の場合、ハイテンションで比較的自由なツイートばかり。タカラトミー公式のアイコンマークとTポイント公式が似ているとユーザー同士がタイムラインでザワつくと、即座に乗っかりコメント合戦を繰り広げたこともあった。先日も、アカウント名のタカラトミーの「カ」をカタカナから漢字の「力(チカラ)」に変え、フォロワーに気づかれるのを待ってみるが、結局気づいてもらえず自分からバラすオチャメな一面も見せた。

 「SNSは個人間で好きを共有する場所」と考えている同氏。そのため、“中の人”のパーソナルな部分もある程度見せつつ、ユーザーが知りたい情報も知らせる。「宣伝色」を見せない絶妙なツイートをタイムラインに流していく。ユーザーがおもしろいと感じていることを自身も果敢に加わっていく姿勢が、企業アカウントにはない特異性を感じる。

Twitterでの苦労もフォロワーとの繋がりで乗り越える

 Twitterで苦労していることは毎日のツイート。やはり、企業としては商品の宣伝の役割もこなさなければならず、多い月では150以上の商品が一気に情報解禁されることもあるそうだ。

 新商品の情報をひたすらツイートするのは大変だが、同氏はそれすらもフォロワーとの繋がりで楽しいイベントに変えてしまう。今年1月31日約130個の新商品情報に手が回らず困っていた時、思い切ってフォロワーに呼び掛けてみた。すると『#タカラトミー告知お助け隊』のハッシュタグでフォロワーが各々に商品を紹介し始めてくれた。

「阪急電鉄さんやMKタクシーさんなどの多数の企業公式Twitterが告知協力を手伝ってくれました。下手すると社内やフォロワーさんに怒られることも考えられるのにそれを顧みず、協力してくれたんです。さらに企業公式アカウントのみならず、Twitterユーザーのみなさんも自発的に商品を紹介してくれました。損得なしに弊社のために商品の紹介を手伝ってくれるみなさんの存在がなんと尊いことか。Twitterでしか見られない優しい世界を見た気がします」

自由なキャンペーンも魅力 あの企業とバチバチした過去も!

 Twitterを利用して頻繁にキャンペーンの開催もしている。最近では、独身男性1人のGW休暇中の過ごし方を募集したところ「デュエマしましょう」「ベイブレード」「人生ゲーム令和版を」「トミカ博へ出勤して代休をとる」と、タカラトミーへの愛があふれる過ごし方がフォロワーから多数寄せられた。

 こうしたフォロワーとの絡みからも、すぐに企画が生まれる。『旅行へ行く派か行かない派』かのキャンペーンが始まり、さらにキリンビバレッジの中の人が「5月5日は紅茶の日なんです!」とプレゼントを追加するまでに発展した。これも他企業の公式Twitterの中の人たちと普段から仲がいいからこそ出来ることだ。一般フォロワーがそういったやり取りをリアルタイムで一緒に楽しめるのも、Twitterの魅力。

 しかし、過去には企画で失敗をしたこともある。今では毎年恒例となった動物お絵かき企画で、青いファイルで有名な「キングジム」の中の人に手紙を出した時にイラストを間違えてしまったのだ。

「キングジムさんの商品の『キングファイル』をさかさまにした絵を描いてしまいました。当時、多忙を極めていた中あやふやな記憶で書いて送ってしまったため、とんでもないミスを犯してしました。しかも、キングジムさんが描いていた『ふぁすとぺんぎん』の意味が理解できず、私が「意味わからない」とツイートした結果、それがキングジムさんの社長の座右の銘『ファーストペンギン』であることがわかり、2重に失礼なことをしてしまいました」

 これが4年間で何よりの印象深い出来事だったようだ。一瞬企業間に亀裂が!?と冷や冷やしたが、フォロワーたちのフォローもあり無事笑いに昇華。これも繋がりが作った“優しい世界”といえよう。

24万フォロワー突破 目指すのは「フォロワーと創る“企業公式Twitter”」

 一方向だけではなく、お客さんからの声も気軽に届くTwitterを「企業と個人、さらには個人と個人がつながれるツール」と考える。タカラトミーのアカウントにコメントをしたことで、そこから個人同士で交友が広がる“Twitterの世界”を見てきているのだ。

「広く全体に情報を届けるというより、『わかる人にはわかる』ような情報を届けながら、フォロワーさんやお客さん1人1人とコミュニケーションしています。ただし、それがうまい立ち回りなのかはわからないので客観的に見られるみなさんからの評価をお待ちしています(笑)」
 先日フォロワーが24万人を突破。喜びの手書きツイートを発信していたが、改めて“中の人”がフォロワーへのメッセージを語った。

「いつも弊社のツイートを見てくださりありがとうございます。そして実際に商品の購入やイベントの参加まで行動を起こしてくれてありがとうございます。『これからも、これまでもフォロワーさんとともに』をスローガンに、みなさんと創る『企業公式Twitter』を目指します。いいも悪いもぜひTwitterにコメントください。みなさんのリプライやRT・いいねの反応を参考にして試行錯誤を繰り返し、みなさんにとって、面白い、楽しい、タメになるメディアになれるよう頑張ります」

 一見楽しそうな仕事にも思えるタカラトミーの“中の人”だが、ただ自由に発言しているだけではなかった。子どもたちの夢や新しい遊びの価値を提供する日本の玩具メーカーとして、優良な商品で世界の市場をにぎわすだけでなく、Twitter上でも我々に笑顔を届けているのだった。

(文・前園美咲)
タカラトミー 公式ツイッターアカウント(@takaratomytoys

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