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ORICON NEWS
「グレイヘア賛美に違和感も…」葛藤する40代、50代女性の本音を”美魔女”雑誌に聞く
10年前に“美魔女”という言葉を生んだ美容雑誌『美ST』
“グレイヘアブーム”に悩む女性たち、「自分が納得してトライするのはいいこと」
2018年の「第9回国民的美魔女コンテスト」、グランプリは47歳の梅本理恵さん
“年齢に抗わない”生き方が話題の近藤サト 写真/田中達晃
これまで、世の女性たちにとっての最重要事項である”若さ”と”美貌”に焦点をあて、雑誌を作ってきた女性向け美容誌『美ST』。10年前、その両方を叶えた”美魔女”という言葉を生み出した。読者層は、グレイヘアが流行しているとされる年代と同じ、40代から50代の女性が中心だ。編集長の桐野さんは、流行を知ってすぐに編集部スタッフとグレイヘアをどう扱うかを話し合ったそうだ。
「『美ST』では、3ヶ月に一度くらいの頻度で白髪染めの特集を組むのですが、読者アンケートでも必ず上位に入るほど人気なんです。それだけ白髪を隠したいというニーズは大きいし、読者の中では『グレイヘアは80歳くらいからでいいかな』という声が大半。まだまだ男性に女性として見てもらえるのが嬉しい年齢である読者にとっては、やはりグレイヘアは抵抗があります」
読者の考えを考慮し、出した答えとは?
「結論を言ってしまうと、『美ST』としてはグレイヘアは“NO”です。もちろん、染め続けることを負担に感じている方や、頭皮が弱くて染めることができない方もいらっしゃるので、自分が納得して似合うグレイヘアにトライするのはいいことだと思うんですけれど」
ファッションというより“生き方”、一般女性には「逆にオシャレのハードルが上がる」
グレイヘアへの見解を語った『美ST』編集長・桐野安子氏
「もはや生き方としての話ですが、いわゆる“自立した女性”としての見え方を重視する方には適しているかもしれません。草笛光子さんや島田順子さんのように、自分を表現するファッションとしてグレイヘアを取り入れる姿に、憧れる方も多いようです。ただ、市井に生きる一般女性がグレイヘアにするには、逆にオシャレのハードルが上がってしまうかもしれません。今持っている服が似合わなくなり、決めたファッションでお化粧もバッチリしないと、ただ老けただけで終わってしまう可能性が高い。頻繁に美容院に通い、整える必要も出てくるでしょう」
さらに、グレイヘアを選択することは、自分のみならず周囲への影響も考える必要がある。
「家庭のある方なら、ご主人やお子さんたちの気持ちや、その周りの人たちからの見られ方にも配慮が必要になってくる。たとえば、会社の会合や参観日なんかもあるでしょう。家庭の中心である女性だけに、自分以外の人への影響も大きいのではないかと思います」
白髪の生え方には4パターン、期待通りのグレイヘアになるとは限らない
白髪染めなどのヘアカラーを扱う会社にリサーチしたという桐野さんによると、「女性の場合は10歳ほど老けて見えてしまう」というのが現状のようだ。
「なんでも、白髪には人によって4パターンほどの生え方があるそうです。自分がどんなパターンなのかは、生えて、伸ばしてみないとわからない。加えて、頭のてっぺんから徐々に色が変わってくることもあって、整えるまでにはかなり時間がかかります」
一気に、近藤サトらのような美しいグレイヘアになるのなら良いが、それまでには時間が必要になる。さらに、自分が期待通りの生え方をするとは限らないとなると、白髪を伸ばしてキレイに、ファッショナブルに見せるには、かなりの根気と勇気が必要になりそうだ。