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ガンプラ│トップモデラーインタビュー(ガンダムプラモデル)
物足りないキットは自分でブラッシュアップ、モデラーを駆り立てる“謎の使命感”とは?
『鉄血』は鉄サビ・土・ホコリがハマる作風なのでジオラマとの相性もピッタリ
【ZAKI】HGUC 1/144 RX-78-2ガンダムです。こちらは小学1年生の夏休みに父に勧められて購入しました。ニッパーと鉄ヤスリ、ピンセットが入ったツールセットも購入し、意気込んでいたことを今でも覚えています。なんとか1人で組み上げ、いろんなポージングをさせて遊んだ記憶があります。
――本格的にプラモにのめり込んだターニングポイントは?
【ZAKI】アニメ『鉄血のオルフェンズ(以下、鉄血)』のキットを初めて組んだ瞬間がターニングポイントといっても過言ではありません。それ以前もプラモ自体はよく組んでいましたが、部分塗装、墨入れ、少しの汚しでフィニッシュすることが当たり前でした。そんな中、『鉄血』シリーズのプラモは私の常識を打ち砕きました。
――常識を打ち破った部分を詳しく教えてください。
【ZAKI】ストレートに組むだけでも物凄く完成度が高いのですが、『鉄血』プラモは絶妙に何か物足りない部分もあると個人的に感じており(苦笑)、自分の理想に近付ける為には延長作業や、あらゆる改修が必要でした。そういった「やらなきゃいけない」という“謎の使命感”が私を駆り立て、作業を繰り返していく内に改修の楽しさにも目覚めました。そして作品が完成する度に「次はこういった技も取り入れてみよう」といった向上心も生まれました。それは今でも変わりません。
――なるほど、挑戦する機会、気付き、完成品への思いを与えてくれたのが『鉄血』のキットだったわけですね。ちなみに、アニメ版『鉄血』も好きですか?
【ZAKI】大好きです。この作品は今までに無い独特な世界観だと思います。ビーム兵器が殆ど登場しないガンダムシリーズというのも新鮮でした。また、孤児たちがどん底から這い上がり自分たちの本当の居場所を探し求めるというストーリーは、台詞や表情の描写なども生々しく、感情移入せざるを得ません。興奮、感動、共感などあらゆる要素が詰まった傑作だと思います!
――ZAKIさんの作品はジオラマが多いですが、その理由を教えてください。
【ZAKI】まず、単純に『鉄血』が好きだという点が大きいです。なので、好きなシリーズのキットを使い、好きなシーンを再現できた時の達成感は凄まじいです。それと、『鉄血』は鉄サビ・土・ホコリがハマる作風なのでジオラマとの相性もピッタリです。
チャレンジし続ける環境は人生のみならずプラモ界にも必須
【ZAKI】正直テーマは決めていません。というのもこちらはアニメのワンシーンを切り取って再現した作品なので、構想から何もかも完全オリジナルということでは無い為です。
――では、本作はどんなシーンなのでしょうか。
【ZAKI】ダインスレイヴ(注:鉄血に登場する兵器)をもろに受け、それでもなお敵機目掛けて一直線に立ち向かう主人公・三日月オーガスの勇気と、搭乗するバルバトスの恐ろしさを表現しました。このシーンの後は大ジャンプして敵機を一掃するのですが、敢えてジャンプ前のシーンを再現することで、「次はこうなるんだよね」という共感を得やすいのではないかと思い制作しました。
――この作品で気に入っている部分と、納得のいっていない部分があれば教えてください。
【ZAKI】一番気に入っている部分は目から出る赤いエフェクトです。これが無ければこんなにも様々な方の目に止まる作品にならなかったと思います。
――本作の反響はいかがでしたか?
【ZAKI】ありがたいことに、『鉄血』ファンの方はもちろん、そうじゃない方々からも純粋に「カッコいい」というお言葉や「原作そのまんま」という反響をいただきました。やはりアニメのワンシーンを再現しているので、「そのまんま」という言葉は本当に嬉しいですし、それらの言葉は全て自分の糧となっています。
――これまでのジオラマ制作で技術的・精神的な「壁」にブチ当たったことはありますか?
【ZAKI】むしろ壁しかありません(笑)。現状、台座の作り方は定まっていませんし、他の面でも色々試行錯誤している段階となります。ただ、プラモ制作って試行錯誤する時間も楽しいんですよね。
――では、「壁」にブチ当たった時はどう乗り越えてきたのでしょうか。
【ZAKI】技術的な面に関しては、その都度お世話になっているモデラーさんにアドバイスをいただくようにしています。今まで全てのことはその方法で解決してきました。ただ、越えなければならない壁があるというのは本当に幸せなことだと感じます。越えずに避ける、という選択肢もありますが、壁を越えた先の未来を想像するとより一層制作にも精が出ます。そして、越えるために色んな方々とコミュニケーションを取り、そうすることでまた仲間の輪が広がっていく。チャレンジし続ける環境というのは人生のみならず、プラモ界にも必須だと感じます。
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