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キラキラ一辺倒は過去の産物? “かわいい以外”を売りにするアイドルたち

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    ”ブスがアイドルになると…”などのエピソードを披露したSKE48・須田亜香里

 アイドルと言えば、可愛いくてキラキラ輝いていて、異性はもちろん同性からも憧れられる“選ばれし存在”だった。AKB48の台頭以降は、 “幼なさ”や“未成熟”をウリにしたアイドルが多く登場している。さらに最近では、本来のアイドルとは真逆の存在であるはずの“ブス”、“バカ”、あげくの果てに“悪魔”までをアイドル本人が“自称”する時代となったようである。「アイドル=可愛い」の定義が崩壊しつつある要因とは?

メジャー・地下・在宅…アイドルへの“間口”が急速に拡大

 そもそもアイドル=Idolという言葉は、“偶像”、“崇拝される人や物”、“熱狂的なファンを持つ人”などの意味を持ち、実際に日本でもかつては憧れの的としてファンたちとの間にも距離があり、そのプライベートが謎に包まれているぶん、崇拝もされた。そして何より圧倒的に可愛く、才能があったのだ。

 しかし、そこに“幼さ”をもプラスされるあたりは、未成熟・未完成な可愛らしさに愛着を示すという日本人の美意識のひとつゆえであろう。成人に達していない高校生・中学生どころか、ときには小学生までをアイドルとしてデビューさせることがあるのは、彼ら彼女らの成長過程をファンたちも共有・応援し、アイドルとファンが一体感を得ていくという、そこには日本ならではの伝統的スタイルがあるからだろう。

 しかし、最近ではその傾向がより顕著に。日本を代表するアイドルであるAKB48グループには、日本国外を含む約600名ほどのメンバーが在籍しているほか、AKBの“公式ライバル”としてデビューした乃木坂46や欅坂46の坂道グループや、ハロ−!プロジェクト系などの他の大きなアイドルグループにその候補生などの下部グループ、『地下アイドル』を名乗る一般的な知名度がまだ低い超多数のアイドルグループ、さらにはSNSや動画投稿サイトを利用する“会えない”アイドル=『在宅アイドル』まで、続々と登場してきている。どこまでが“真のアイドル”なのかという定義はさておき、アイドルのインフレ化・供給過多が進んでいるのは確かであり、『アイドルへの道』がかつてほどハードルが高いものではなくなっていることは事実のようだ。

頭ひとつ抜け出したい思いが“個性”を多様化 ついにはネガティブアピールにまで発展

 そんな飽和状態のアイドル界において、アイドル自身が“個性”の差別化を図るのも当然のなりゆきかもしれない。自らの“推しポイント”ということになるのだろうが、「どうせ埋もれるぐらいなら…」という思惑からか、アイドルらしからぬ“ネガティブ”なものに設定するパターンが増えているのだ。

 今から10年ほど前、『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系)から生まれたアイドル「Pabo」(里田まい・木下優樹菜・スザンヌ)がいわゆる“おバカ”アイドルの先駆けとなったが、その言動のユニークさからクイズ番組などバラエティ番組の需要も多く、おバカアイドルの歴史はその後も続いていく。

 ところが、そのおバカアイドルも徐々に飽和していったため、さらなる個性を求め “ブス”をウリにするアイドルまで出現。その代表格はAKB48のエースとして君臨する指原莉乃だが、今年のAKB総選挙で2位となったSKE48の須田亜香里なども、“ブスがアイドルになったら”などのエピソードで自らを語るなどし、ブレイクを果たしている。

 また、そのAKB総選挙で“文春砲”の標的になったことを事前申告したNGT48 の“炎上アイドル”こと中井りかは、自らを“悪魔キャラ”と称して総選挙ポスターを作るなど“ヒール”をウリにしている。さらに7月7日放送の『有吉反省会』(日本テレビ系)では、『びっぐえんじぇる』なる『太りすぎて地球に落ちてきたアイドル』5人組が登場し、ぽっちゃり系芸人をもあっさりと超える太りっぷりを披露しつつ、「1日6食」、「つまみ食いしすぎてバイトを首になった」などのエピソードで笑いを取っていた。

 その他、地下アイドルにまで目を向ければ、“呪い”をコンセプトにする『じゅじゅ』、“病み”の『病んドル』など、ちょっと理解しがたいキーワードをウリにするアイドル群がひしめき合い、もはやネガティブなのか個性なのかやけっぱちなのかわからないという、混沌としたカオス状態なのである。

“ネガティブ”もタレント力を発揮するための個性 勝ち残るアイドルの共通点とは?

 今や突出したウリがなければ埋もれてしまうだけのアイドル界。自ら率先して「ブス」や「デブ」などのネガティブワードを吐くことは、自虐ネタとしての“つかみ”にもなるし、それ以上は非難されないという予防線ともなる。今や“可愛い”だけでは生き残れないアイドル業界、アイドルたちも必死だ。これらのワードで自ら標榜することは、アイドルたちが試行錯誤のうえにたどり着いた決死の“セルフネガティブキャンペーン”なのかもしれない。

 しかし大事なのはそれだけではない。先の指原にしても、かつてはスキャンダルで炎上もしたが、逆に「私はブスだから」「ヘタレだから」と“開き直り”に転じ、話題になることに成功。そのうち「意外にトーク力がある」と評判にもなり、バラエティ番組で引っ張りだこになると、「素直で度胸もある」と同性からの評価も上がり、今ではMCをこなすまでに成長したのである。

 須田亜香里にしても同様で、ただただ“ブス”を打ち出したからブレイクしたわけではない。ブスをきっかけにはしたものの、トーク力や打たれ強さ、体当たりのバラエティ力など、タレントとしてのポテンシャルがあったからこそ、お茶の間人気をも獲得するアイドルになれた。個性的な推しポイントを自ら掲げることで、自分のタレント力を発揮させているという“戦略”なのだ。

 後続のアイドルたちが“ネガティブ”をウリにし出すのも当然の流れとも思えるが、実力なしでは例え一度注目を浴びたとしても長くは続かない。“タレント力”あってこそ、“ネガティブキャンペーン”が光るというものだ。まずはネガティブを売りにしても、それを昇華し、自分の力にできる。そういうアイドルしか、勝ち残れないのだ。

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