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「ダンスがすごい」が先行する音楽シーン 背景に“モノ消費”から“コト消費”の影響
“バブリーダンス”“恋ダンス”ブームにより曲以上にダンスが注目される時代に
また、星野源の『恋』も、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のエンディングで出演者が踊る“恋ダンス”に大きくスポットが当たった。Perfumeの振り付けなどで知られるMIKIKOが担当したこのダンスは、「可愛い」と反響を呼び、一般人からYouTuberのはじめしゃちょーといったインフルエンサーまで、多くの人が“恋ダンス”を動画サイトにアップ。あまりの過熱ぶりに、所属事務所が「削除して」とアナウンスする事態にまでなった。
「踊ってみた」動画のブームがダンスを身近な存在に
こうした“ダンス先行型”のヒット曲だが、EXILEや安室奈美恵、また三浦大知といったアーティストのように、単純に「ダンスのレベルが高い」というわけではない。あくまで一般人が“気軽に真似のできる振り付け”であることが概ね共通している点だ。
なぜ、ここまでダンスに注目が集まるようになったのか? やはりそれは「動画投稿サイト」の普及が挙げられる。Youtubeで「踊ってみた」を検索したときのヒット数(約280万件)からもわかるように、ダンスが定番コンテンツ化している。本家の“完コピ”を目指したり、独自にアレンジをしたりと、思い思いの踊り方をした映像に、不特定多数の人たちから注目を浴びる……これは動画投稿サイトならではの醍醐味と言えるだろう。そうした理由もあり、ダンス未経験者でも踊りやすい振り付けの曲は、その分「踊ってみた」人たちが増える上、曲自体の認知度向上にもつながっていく。
“モノ消費”から“コト消費”へ変化していく音楽市場
そして今や「体験」の機会はライブ会場だけではなくなった。先述の動画投稿サイトに好きな曲、好きなアーティストと同じダンスを投稿することで、ライブのように同じ舞台に立っている“一体感”が得られるという、新たな体験が楽しめる時代に突入している。