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テレビ業界の暗黙のルール タレントの”裏かぶり”なぜいけない?

 テレビ業界で暗黙のルールとして浸透しているタレントの“裏かぶりNG”。簡単に言えば、同時刻に局をまたいで重複した出演をタブーとするもので、万が一重複しそうな場合は「出演時間をずらす」「CM中の間だけ出演する」などの調整が行われる。中には「あるアイドルが、TBSでのドラマ出演が終わった瞬間、テレビ朝日の歌番組で歌披露が始まった」なんて話も。だが、そんなルールもキー局のみであることを先日、梅沢富美男がMXの番組でさらっと告白。改めて“裏かぶり“とは何か? いくつかの事例から、その実情について考えてみよう。

梅沢富美男は堂々2局に出演! TOKYO MXは裏かぶりOK?

 梅沢は8日、自身が木曜レギュラーを務める『バラいろダンディ』(TOKYO MX)に生出演。だが実は同時間帯、日本テレビでは『秘密のケンミンSHOW』が放送されており、梅沢はそこにゲスト出演していた。これについてMCの蝶野正洋が「裏番組に出られてるんですよね?」とツッコんだ。女装家でタレントのナジャ・グランディーバから「そんなん、許されるんですか?」と咎められると、梅沢は、日テレ側から「『MXは関係ありません』って言われたんだもの!」と居直ってぶっちゃけていた。

 「裏かぶりNGは“絶対”ではなく、番組スポンサーに対する“配慮”なんです」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「タレントの報酬はスポンサーからの広告費から支払われている。同じ時間帯に違う番組に出演していたら、そちらの番組の視聴率に貢献したことになる。ですが、なにがなんでもNGというわけではなく、梅沢さんの場合のように片方がローカル番組の場合などでは出演できることもあります」(同氏)。

 今回の梅沢富美男のケースで言うと、主に東京都とその周辺の一部でしか放送されないTOKYO MXは対象外だという理屈になり、「とは言え、関東圏内では裏かぶりしてしまうことになる。つまり明確なルールは存在していないに等しい」と衣輪氏は付け加える。

 また、昨年WEBで配信された『72時間ホンネテレビ』(AbemaTV)では、稲垣吾郎がカラオケ企画の最中に「(当時、裏で放送されていた)『ゴロウ・デラックス』(TBS系)、大切なものなので、僕にとって」と、一時生放送から姿を消す一幕が。上記のルールに則るとネット配信番組は対象外にも思えるが、この場合は、演者である稲垣の番組へ対する“愛”なのだろう。

JOYや三谷作品も“裏かぶり”でトラブルに!? さまざまな裏かぶり事例

 裏かぶりは、テレビ業界では非常に重く見られている慣習。東野幸治は『ワイドナショー』(フジテレビ系)と、『東野・岡村の旅猿〜プライベートでごめんなさい〜』(日本テレビ系)の放送が重なる時期があった。そのため、『ワイドナショー』は番組を2部構成にして、東野の出演時間がかぶらない工夫をしていた。

 また2013年、ハーフタレントのJOYは『オールスター感謝祭』(TBS系)と『有吉反省会 2時間スペシャル』(日テレ系)の両方に出演。後日、『有吉反省会』で反省しに来ると、禊として“有吉反省会に出入禁止”を言い渡された。“ネタ”との見方もあるが、今現在まで、本当にJOYの出演はない。

 JOYのほかにも、三谷幸喜作品の『新選組!! 土方歳三 最期の一日』(NHK総合)、『古畑任三郎ファイナル』(フジテレビ系)が同時間帯に放送されたとき、藤原竜也と石坂浩二も両ドラマに出演。調整が間に合わなかったとしてフジテレビ側が謝罪することとなった。また、ビビる大木は『明石家さんちゃんねる』(TBS系)と『銭金3時間スペシャル』(テレ朝系)で裏かぶり。『明石家〜』でモザイクをかけられてしまったことも。

 「2016年、内山信二さんも『ヒルナンデス!』(日テレ系)と『ライオンのごきげんよう』(フジ系)への裏かぶり騒動を『バラいろ〜』出演時に謝罪。『芸能界に残るにはたまにはニュースにならないと』と深刻な様子はなく、この一件からも、裏かぶりに一様の罰則が存在しないことが窺えます」(衣輪氏)。

裏かぶり禁止は“紳士協定” TBSは粋な計らいも?

 ちなみに、南海キャンディーズの山里亮太も過去に2回の裏かぶり問題にぶち当たっている。一度目は準レギュラーだった『ナカイの窓』(日テレ系)。山里はその裏のバラエティ『前略、月の上から。』(フジ系)へのレギュラー出演が決定し、一時『ナカイの窓』を卒業。裏番組が終わると『ナカイの窓』に復帰したものの、あろうことか、その復帰スペシャルで、『テラスハウス、カムバック…映画公開記念4夜連続SP』(フジ系)に同時出演。中居から「そんなにレインボーブリッジ通りたい?」と糾弾され、「誰かレインボーブリッジ封鎖してくれ!俺が通れないように」と絶叫する場面があった。

 2度目は、MCとしてレギュラー出演している『東大王』(TBS系)の裏で『M-1グランプリ2017』の決勝の放送がかぶるというもの。「南海キャンディーズなんかM-1(決勝)行くわけねぇだろって思ってたマネージャーさんだったんで……」と、マネージャーの仕業だと弁明。だがTBS側は「ウチの番組のMCが、日本一面白いっていう称号をもらえるかもしれない可能性を止めることはしませんよ。いってらっしゃいませ」と声を掛けており、丸く収まる形となった。TBSのなんとも粋な計らいである。

 「“裏かぶり”禁止は、時と場合によって例外なども適用される“紳士協定”。ちなみに、同じような“紳士協定”では、たとえば、インタビュアーがタレントに好きなお酒などを聞く場合、そのタレントがビールのCMに出ているなら、『ビール』としか答えないというものもあります。スポンサーに好かれない行為はしないということは誰が考えても常識。番組のプロデューサーや芸能事務所のマネージャーに話を聞いても、『裏かぶりはすでに無意識レベルで避けている』との答えが帰ってきており、これまで挙げてきた事例の通り、意図的な場合は、スポンサーや番組側、事務所が納得しているのがほとんどなのです」(衣輪氏)。

 また、タレント側にとっても、視聴率が割れてしまうということは、自身の価値を下げる行為ともなる。業界外からは異常にも見える裏かぶり調整だが、スポンサーを付けて視聴率を争っている以上、やはりデリケートに扱わなければならない問題なのだ。

(文・中野ナガ)

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