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福島県に“ドローンの聖地”が誕生? ドローンが今もっとも活躍できる“意外な分野”とは
ドローンパイロットを育成するスクールが各地に続々開校
では、仕事などで使用する200g以上のドローンを飛ばそうとした場合、どのような許可が必要になるのか?「まず、10時間以上のドローン飛行経験が必要です。もちろん、それに伴う操作技術と知識も求められます」と中川氏。そうした技能を備えたうえで国土交通省へ申請書を提出するのだが、ドローンの操作技術を学べるスクールに通っていなかった場合、その確認に時間がかかるため、申請が通るのに2〜3カ月待ちになることも。しかも、その申請はドローンを飛行させるたびに必要となる。
「そこで、国土交通省の定める評価基準を満たした『ドローンスクール』が各地にできています。そのスクールを出ていれば、国土交通省への申請が劇的に簡略化されます。免許制度ではないですが、車の教習所をイメージしてもらえれば」と中川氏は語る
大型ダムや災害現場など、危険個所で真価を発揮
「ドローンの需要が高いのは、橋や道路といったインフラ、ソーラーパネルや建物などの “点検”です。中でもドローンの特性が生かされるのが、高層階のビルや、ダムなどの大型建築物の点検。大型建築物では多くの人員と作業日数がかかるうえ、危険が伴います。高所に足場を作り、安全ベルトを使って行っていた作業をドローンが肩代わりします。しかも、赤外線カメラで外壁の異常個所を検知するため、人が調査するよりも早くて正確です」
赤外線カメラで異常個所を見つけた際、マーカー発射システムを使って該当箇所を着色。次回の作業位置を特定しやすくする技術もある。「ダムの外壁にカラーボールを撃ち込むドローンを見ると、男心が刺激されますね」と目を輝かせる同氏。
高層ビルやダムの調査のほか、災害現場など、危険個所で存在感を発揮するドローン。「将来的にドローンパイロットを社内で抱えようと、社員をスクールに通わせる企業も増えています。ただ、落下や衝突といった不測の事故などを考えた場合、“リスクヘッジ”のために外部のドローン会社に頼むのが一般的です」
宅配ドローンが空を飛び交うSFワールドが現実に
「被災した南相馬市では、市の再生に向けてロボットの活用を推進。50万坪の敷地内で陸・海・空のロボット実証実験を行う『福島ロボットテストフィールド』が平成30年度より開所予定です。現在も、被災地の人手不足を解決するため、南相馬市と楽天が共同でドローンによる無人配送の実験を行っています」(中川氏)
荷物を積んだ宅配用ドローンが空中を飛び交うSFワールド。そんな、アニメや映画の中の世界が目前に迫っている。実際、雷に打たれても大丈夫なゴム製のドローンや、水陸両用のドローンが実現化。またドローンが落下した場合に備え、パラシュートやエアバッグを備えたドローンの開発も進んでいると中川氏。
ドローンによる“編隊飛行”は、優秀なオペレーターがいる日本の十八番に
「福島県は今後、“ドローンの聖地”の役割を担う重要な拠点となるでしょう。そして、環境面での整備が進むのと同時に、トイドローンの普及により操作技術に秀でた日本人が相当数出てくるはずです。その若者たちが海外の『ドローンレース』に出場して、賞金を何億も稼ぐ時代がきっと来ます。最近、子どもたちの憧れの職業に“Youtuber”が加わったと話題になりましたが、いずれは“ドローンパイロット”も、子どもたちの人気職業のひとつになるはずです」(中川氏)