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桜井日奈子、初の吹替え声優で「血が飛び出ちゃうかと思った」

 映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』で、ヒロインの少女・イザベラ役で日本語吹き替え声優に初挑戦した桜井日奈子。高校時代、“岡山の奇跡”と呼ばれ話題になり、最近では『そして、誰もいなくなった』『THE LAST COP/ラストコップ』などドラマに出演、女優として活躍の場を広げている。そんな桜井に、アフレコ時のエピソードから、オフの日の過ごし方までを聞いた。

“岡山の奇跡”桜井日奈子、映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』インタビュー

緊張で、呼吸を止めてサインを書いてました

――『トランスフォーマー/最後の騎士王』の公開に先立ち、ジャパンプレミアにローラ・ハドックさん、イザベラ・モナーさんと共に参加しました。
桜井日奈子緊張でガチガチでした。あとで考えて、インタビューでちゃんと映画の魅力を伝えられていたのか不安になったくらいに。ファンの方にサインするときも、すごく高速で書いたんです。今までにない速さで必死に。その間、私、呼吸を止めていて(笑)。メディアの方たちの前に行ったら、息が切れていて自分でビックリしました。

――普段も緊張しぃなんですか?
桜井日奈子とにかく緊張しぃです。1日警察署長のときとかも「どうにかなってしまうんじゃないか?」と思うほど緊張して、必ず手が冷たくなるんです。ジャパンプレミアのときもキンキンでした(笑)。

ヒーロー戦隊ものは当たり前のように観てました

――『トランスフォーマー』シリーズは以前からファンだったそうですが、どの辺りから観ていたんですか?
桜井日奈子小さい頃にアニメ専門チャンネルで昔のアニメを観てました。男兄弟なので、戦隊ものや機械ものは当たり前のように観ていて、大好きだったんです。興奮して「えーっ!?」となるときもあれば、黙々と観ているときもありました。映画も4作全部観ました。

――今回のイザベラ役の吹替えは、テープオーディションでマイケル・ベイ監督に選ばれたそうですね。
桜井日奈子向こうにテープを送りました。イザベラの登場シーンの台詞を録って。プレッシャーに弱いので、オーディションを受ける他の方とご一緒することがなかったのが救いでした。顔を合わせると、私はビビッてしまうので(笑)。

――吹替え版では、リアルな14歳くらいの声に聞こえました。
桜井日奈子ホントですか!? 良かった〜。

――普段の自分の声と変えたわけですよね?
桜井日奈子テンションを上げて、いつもの自分の低い声より何段階か上の声で当てるようにはしました。でも、それよりイザベラの表情や息づかいを重視してアフレコしました。

――事前の準備はどんなことをしたんですか?
桜井日奈子吹替えの演出監督に映像を繰り返し観るように言われました。「イザベラのことをたくさん観察しておいてください」と。それで映像をいただいてから、家で何度も観ました。台本もいただいていたので、ボソボソと台詞を言いながら。最初は声が全然出なかったです。自分で「これくらいで大丈夫かな」と思うボリュームでは伝わりにくかったので、現場で監督と何回も詰めながら、やっと出た声が使われています。

自分の血がブワーッと血管から飛び出ちゃうかと思った

――追い掛けられたり、緊迫したシーンが多くありました。
桜井日奈子私はテクニカルなものを何も持ってないので、イザベラと同じ感情を作って入り込まないと声も当て辛くて、自分も本当に戦っている気持ちで吹替えしました。特にクライマックスの緊迫した状況で、イザベラが相棒のオートボットのスクィークスに指示をするシーンは、自分の血がブワーッと血管から飛び出ちゃうかと思うくらい、グワングワンと血が体内を巡っているのを感じました。

――技術的には、どんなことを難しく感じました?
桜井日奈子繰り返し映像を観て“何秒にこの台詞”と台本にも書き込んでおいたので、タイミングは大丈夫でした。でも「ここでこう言う」みたいなのを意識しすぎちゃうと、感情が入っていかなくなるんです。人形みたいな声になってしまうので、そこはバランスが難しかったですね。

――岡山のイントネーションが出ちゃったりはしませんでした?
桜井日奈子それは事前にマネージャーさんと練習したときに直していただきました。普段は出るときは出ちゃいますね。地元の友だちと話すときは全部岡山の言葉になっちゃいます。仕事になると自然と出なくなりますけど。

――完成した吹替え版のイザベラのシーンを自分で観て、どう感じました?
桜井日奈子登場シーンはオーディションから声を当てたので、「あっ、ここだ」と深い思い入れがありました。あと、スクィークスがディセプティコンたちに捕まって、イザベラが1人で飛び出すシーンがあって。そこはスクィークスとの強い友情みたいな関係も見えたし、イザベラの性格も現れていて素敵でした。

――「あんたたちなんか怖くないんだからね」と言っていたところですね。
桜井日奈子「地獄に堕ちろー!」と叫んでました(笑)。

――イザベラのそういう性格は桜井さんとも重なります?
桜井日奈子そうですね。私も結構強気なので、共感します。

1人カラオケではback numberさんをよく歌います

――女優として舞台、ドラマ、映画、吹替えと経験して、目指す女優像について見えてきたものもありますか?
桜井日奈子今はとにかく幅を広げたいです。ドラマもまだ2本で、吹き替えは今回が初めて。まだまだ初めてのことがたくさんあるので。どんどん経験を積んで、いろいろなことを吸収できたらと思います。

――そんななかで上京2年目になって、オフの日はどう過ごしてますか?
桜井日奈子基本1人で過ごすことが多いです。以前はちょっと寂しいと思ってましたけど、最近は全然平気になりました。1人でカラオケにも行くし、映画館にも入ります。この前は1人でボウリングに行こうかと思って、さすがにやめましたけど(笑)。1人焼肉も全然行っちゃいますね。

――1人カラオケではどんな曲を歌うんですか?
桜井日奈子back numberさんが好きで、よく歌います。最近はゴスペラーズさんや、親がよく聴いていたスターダストレビューさんも。

――男性ボーカルばかり?
桜井日奈子そうなんです。私、声が低いので。「見た目のイメージよりだいぶ低いね」と言われて、声がコンプレックスになっていたから、『トランスフォーマー』の吹替えに私を選んでくださって、本当にありがたかったです。

(取材・文/斉藤貴志)

トランスフォーマー/最後の騎士王

 人類とトランスフォーマーが壮絶な戦いを繰り広げる最中、オプティマス・プライムが消息を絶った…。その一方、目前に迫る未曽有の危機から地球を救うため、前作の主人公・発明家ケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ)の下に集まったのは、オプティマス無き後オートボットのリーダーとなったバンブルビー、謎の英国貴族(アンソニー・ホプキンス)、そして、オックスフォード大学の女教授(ローラ・ハドック)、誰も予想していないチームだった!

監督:マイケル・ベイ
出演:マーク・ウォールバーグ、ローラ・ハドック、ジョシュ・デュアメル、ジョン・タトゥーロ、スタンリー・トゥッチ、イザベラ・モナー、アンソニー・ホプキンス
8月4日(金)全国ロードショー
【公式サイト】(外部サイト)
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