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あの話題作『昼顔』が帰ってきた! 上戸彩が感じた家族の後押しと20年の芸歴
“子どもがいるからこういう作品はやめよう”という考え方は嫌だった
上戸彩 北野先生(斎藤工)と再会するシーンから撮影がスタートしたんですけど、最初の段取りのところから涙がボロボロ止まらなくなってしまって……。それぐらい自分の中に北野先生が残っていたんだって実感できましたし、ドラマの頃が一気にフラッシュバックして、その後もブランクをまったく感じることなく紗和に戻ることができました。
――映画では複雑な想いや事情が交錯しながらも、紗和の秘めた女心、抑えていた感情があふれ出し、再び二人の新たな物語が始まっていきました。
上戸彩 人間はそういうところがあるなって、私自身が現場で気づかされることがたくさんありました。改めて、井上(由美子)さんの脚本と西谷監督のセンスはすごいなって。
――ドラマでも印象的なセリフが多かった『昼顔』ですが、映画版でも心に残る言葉が多くて。
上戸彩 ドラマでは説明するセリフが必要なので、紗和のモノローグが多かったんですが、映画ではなるべくモノローグではなく表情で伝えるようになっていて、シンプルになりました。そんな中でも、個人的にかなり言いづらい、説明のようなセリフもあって、監督からは「言えなかったら言わなくていい、その時の感情に任せる」って気遣っていただいたくらい。でも、自然と心から発することができたので、映画を観る方にも刺さってくれたらいいなと思います。
――上戸さんはこのドラマから映画までの間に、女性としても大きな転機を迎えられました。女優という仕事への向き合い方は変わりましたか?
上戸彩 家族が背中を押してくれたことが、すごく大きかったと思います。そんな中、映画に出演したいと思っているタイミングで、自分も大好きな『昼顔』の映画のオファーをいただいたんです。“子どもがいるからこういう作品はやめよう”という考え方は嫌だったし、むしろ“背中を見てもらいたい”と、自分の勝手な解釈で引き受けさせていただきました。
20年の芸歴は、やりきってきた気がします(笑)
上戸彩 20年の芸歴は、やりきってきた気がします(笑)。ドラマなどに出演させていただけるようになったのは14歳くらいからなんですが、ずっと休みなくお仕事を頂けてきたことは、自分でもとても驚いていますし、本当にありがたいことだな、と思っています。
――休みなく仕事するのは大変な部分もあるかと思います。続けられたのはなぜでしょう?
上戸彩 自分の中でだんだん意識が変わってきたといいますか、純粋に仕事、演じることが楽しくなっていったんです。10代の頃は一つの作品ごとに自分を失うくらい必死に取り組んでいたし、毎回“これ以上の役はできない”って、達成感がありすぎるくらいで。
――それくらいの覚悟とエネルギーを注いでいた。
上戸彩 毎日ヘトヘトでした。でも、次の日には何事もなかったかのように移動車に乗っているという(笑)。
――そんな環境がプレッシャーになったり、息苦しくなることは?
上戸彩 しょっちゅうあります、今でも(笑)。でも、“それが私の人生だから”って思っています。そう受け止めるしかないし、私には家族と友だちがいるから大丈夫。不安なことがあれば相談しますし、何でも口に出して言います。昔から、家族と友だちがいれば何もいらないくらい、物欲もなければ、地位や名誉をほしいとも思わない。ただ、私を支えてくれる人たちを裏切らないように、一社会人として間違えたことはしちゃいけないというのは、ずっと自分の根底にありますね。
紗和に出会えたことは、私にとってすごく大きなこと
上戸彩 そういうことは絶対しちゃダメだと思います。でも、紗和は自分の気持ちを純粋に貫く強さを持っていて、してはいけないことをしているのに、気が付いたら皆さんから応援されるような存在になっていたことは、とても不思議ですよね。
――そんな『昼顔』は女優・上戸彩の代表作といえるほど大きな作品となったと思いますが、上戸さんにとってはどんな存在ですか?
上戸彩 宝物ですね。紗和に出会えたこと、映画となって再び出会えたことは、私にとってすごく大きなこと。でも、この映画が代表作といえるかどうかは、観てくださる方たちの反響、判断によるものだと思うんです。なので、ぜひみなさんのリアルな意見がすごく聞きたいです!
――きっと観た方は、しばらく話が止まらないと思いますよ。
上戸彩 わぁ〜、私もその中に私も混じりたい! 例えば女友だちと観に行って、一緒に恋愛トークをしたり、みんなで暴露しあったりするのも楽しいでしょうね。でも、一人で観て、自分の愛について見つめ直す時間になってくれるのもいいなと思います。
(写真:宮坂浩見 文:星野彩乃)
映画『昼顔』
監督:西谷弘
出演:上戸彩 斎藤工 伊藤歩 平山浩行
6月10日公開
【公式サイト】(外部サイト)
(C)2017フジテレビジョン 東宝 FNS27社