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アカデミー助演女優賞! 杉咲花の素顔とは!? 木村拓哉との共演も語る
木村さんと一緒に居られない時間はちょっと心細い
杉咲花 反省点が見つかったりして、まだ客観的に観ることはできなかったです。特にラスト、みなさんが本気で戦っているシーンは、迫力や臨場感がものすごくて、高揚が止まらずに前のめりになって観ていました。
――凜の用心棒である万次を演じた木村拓哉さんは、「僕の役へのアプローチは、杉咲花ちゃんが演じる凜を100%感じて答えを出していった」とおっしゃっていました。杉咲さんの役作りは?
杉咲花 撮影中は演じているという感覚がなくて、杉咲花なのか凜なのか、わからなくなっていました。凜が苦しいときは私も苦しいし、凜が悲しいときは私も悲しかった。壮絶な疑似体験をした感覚です。木村さんはいつも万次さんとして存在してくださったし、凜が万次さんを思うように、木村さんと一緒に居られない時間はちょっと心細いというか、寂しく感じる瞬間がありました。
『とと姉ちゃん』で志田未来さんと同じシーンのときは感動
杉咲花 ひとつひとつの現場をやっと乗り越えられている感じで、ぜんぜんそんなふうに思ったことはないです。本当に恵まれた環境で、素敵な役をやらせていただいてるなと思います。
――杉咲さんが女優を志したきっかけは何だったんですか?
杉咲花 もともと、ドラマがすごく好きだったんです。なかでもお気に入りのドラマがいくつかあったんですけど、そのすべてに志田未来さんが出演されていて。自分も演技をしたいと思い、今の事務所のオーディションを受けました。志田さんとはNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(NHK総合 2016年)でご一緒させていただいて、同じシーンのときは感動しました。ずっと憧れていた方と…と思うと、震えるというか、本当に幸せな時間でした
『夜行観覧車』の時にした、演じている感覚を忘れるぐらいの体験
杉咲花 私は、本当に感じていないものを表現することがとても不得意なんです。たとえば、ストーリーが何もないところで、「今から泣いてください」と言われても私は戸惑ってしまう…。それでも演技できないといけないとは思うのですが、どうしても考えてしまって。
――そんなふうに役に入って演じる感覚はいつ頃から?
杉咲花 ドラマ『夜行観覧車』(TBS系 2013年)の時に、疑似体験というか、演じている感覚を忘れるぐらいの体験をしました。でも当時は、あんなに大きなものを抱える役というのが初めてだったので、どういうことなのかよくわからなくて。自分でも気づかないまま、そういう演技になっていたのかもしれません。あらためて実感したのは、映画『トイレのピエタ』(2015年)に出たときだと思います。
――『トイレのピエタ』では、余命宣告された青年・宏と出会う少女・真衣の役。
杉咲花 そのときは、本当に人の死に直面しているようで怖かったです。家に帰ってもずっと宏のことを考えていて、うまく家族と話もできなくて。母からも「どういう風に接していいかわからない」と言われるほど、困らせてしまいました。そんなこともあって、“スイッチを入れる、入れない”ということが大切だと気づいて。そうしないと、周りの人に迷惑をかけてしまうなと、実感したんです。
――ご自身でも大変だったのでは?
杉咲花 そうですね。自分自身、すごく苦しいことでもありました。でも、その方がより本当の感情をぶつけられる。やらないよりやったほうが、きっと作品がもっと良くなるし、観てくださる方の心にもより深く届くと感じていて。ただ、このままではいけないなという思いもあって、どこかで(心の)バランスをとることも覚えなければいけないとはわかってはいるのですけど…。これから徐々に、挑戦してみます(苦笑)。