ORICON NEWS
【佐藤勝利インタビュー】映画で初主演、「じっくりと時間をかけて作っていくのが好き」
映画初主演で演じたのは、自分と正反対の主人公
佐藤勝利 自分の意見を言えず、ヘタレなところは僕と正反対ですね(笑)。でも、いろいろな人の気持ちを思いやり、つねに理解しようとしている点は似ていると思います。
――ご自分とギャップのある役柄へのアプローチはどのように?
佐藤勝利 まず、ハルタについて考えました。相手とずっと目を合わせて話をするタイプではないだろうし、あまり胸を張ることもないだろうなぁとか、そんな小さな仕草から考えて。感情的には弱々しいところがあるから、声も小さめかな? と、そういった細かいところから徐々に積み重ねていきました。
橋本環奈の本気のパンチで「壁がなくなった」
佐藤勝利 友だちよりも大切な人で身近な人だけど、恋人ではない。言葉で伝えられそうで伝えられないもどかしさというか、手に届きそうで届かない距離感。そういうのって、僕は普通の恋愛よりキュンキュンしますね。思うに、この2人の微妙な距離感がかもし出せたのは、クランクイン前にエチュード(即興劇)をたくさんやっていたことが良かったと思います。エチュードをやりながら橋本さんと友だち感覚でしゃべれるようになって、だんだん自然な関係が築けたんですよね。
――吹奏楽部に無理矢理に入部させられるハルタは、部員勧誘するチカにバンバン叩かれたりして。チカとハルタの関係があの場面によく出ています。
佐藤勝利 あのシーンの撮影がクランクインだったので、すごく緊張しながらも、良かったと思っています。橋本さんと僕の壁がなくなるというか、一瞬で役に入った感じ。もちろん橋本さんは本気でパンチを入れてくれましたけど、実はそんなに痛くなかった(笑)。
――チカにグイグイと引っ張られて行くハルタを演じるには、受け身の演技が必要となったと思いますが?
佐藤勝利 それは意識しました。自分自身の気持ちを聞くことも大事だし、チカちゃんや他の部員たちが何を言っているのかを聞くことが大事。ハルタはそれを知っているんです。だから、彼はあまり多くは言葉にせず、ベーシックなことしか言わないけれど、ずっと相手の言葉に耳を傾けている。そこは意識して、しっかり抑えて演じたいと思っていました。