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【SMAP連載16】「世界に一つ」300万枚突破を成し遂げたSMAPファンの底力
「世界に一つだけの花」300万枚突破を導いた、自然発生的な購買運動
“花摘み”とは、SMAPファンによる、「世界に一つだけの花」購買運動のことだ。この原稿を書いている12月9日金曜日夜、編集から「8日までのオリコンデイリーCDシングルランキングの売上で、“世界〜”の累積売上枚数が300万枚を突破しました」という連絡が入った。実は前日、この連載の番外編で「世界に一つだけの花」が大ヒットした理由を考察した原稿を書いたばかりで、その時点で発表されていた4日までの累計売上は297.5万(12/12付週間ランキング)。5日から8日までの4日間で、3.3万枚を売り上げたことになる。1月にSMAPが解散危機という報道があった直後に「世界に一つだけの花」を中心にSMAPのCD売上枚数が急上昇。「華麗なる逆襲」「シャレオツ」など、比較的最近発売されたシングルとともに、オリコンのランキングを賑わせた。「世界に一つだけの花」に限って言えば、1月からの約11ヶ月で40万枚以上を売り上げたことになる。新譜でもなく、購買特典も一切ないシングルでこの数字はすごい。
誰かが指揮をとって、「CDを買いましょう!」と呼びかけたわけではない。2016年のデビュー25周年を、どうにかしておめでたいニュースで飾りたい。ファンのそんな思いから、自然発生的に生まれた現象だった。
今、自分にできることは――行動するファンたち
9月9日のデビュー記念日には、25年前にデビューイベントを開催した西武園ゆうえんちにファンが集結したり、東京新聞の広告欄に、「25周年おめでとう」というメッセージを大量投稿したり、有志による『5☆SMILE〜SMAP存続並びにグループ活動の継続願いの署名活動プロジェクト』が中心となって、37万人分の署名を集めたり。SMAPファンは、“行動”する。ピンチに陥ったとき、諦めるのではなく、自分にできることを模索する。その行動力や積極性は、音楽番組冬の時代にデビューしたSMAPが、バラエティーに進出したり、司会業を目指したり、文化人と交流して文化的な素養を身につけたり、絵で自分を表現したり、タブーとされている恋バナをラジオでネタにしたり、常に体を張って“できること”を示した姿勢に近いものがある。
アナログ的な草の根活動とSNSの拡散力が可能にした
アナログ的なものに価値を見出す一方で、SNSも上手に活用し、女性ならではの拡散力で活動を全国に普及させている点もさすがだし、中心になって動く人たちは、“共感や共鳴したら動けばいい”と、協力者に対して一定の自由度を保つことも忘れない。