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【連載番外編】SMAPベスト盤を読み解く PART.1「世界に一つ」を生んだデビュー曲
SMAPのデビュー曲、そこに込められた思いとは?
91年のデビューから“SMAPブレイク元年”の95年までに発売された10曲の中で、意外な人気に驚いたのはランキング7位の「どうしても君がいい」である。30位にランクインした「君は君だよ」のカップリングで、“ラブソングでハードに踊るSMAP”のクールなカッコ良さが、初期の段階で具現化された曲だ。そんな、“歌って踊るラブソング”が熱望される結果となった一方、冒頭でも述べたとおり、グループに込められた深い思いが伝わってくるのはやはりデビュー曲の「Can’t Stop!! -LOVING-」なのである。
歴代3位「世界に一つだけの花」を予見させた「Can’t Stop!! -LOVING-」
この曲が、ファンの中であらためて脚光を浴びたのは、20周年のファンイベントを西武園ゆうえんちで開催したときだ。96年に脱退した森且行のことは、公の場ではそれまで滅多に話題にしてこなかったし、たまに口に出しても、あくまでさり気ない流れの中で、だった。それが20周年を境に、メンバー全員が森の話をオープンにするようになった。西武園ゆうえんちでは、デビュー当時の衣装と同じ赤と黄色の、派手なアイドル衣装に身を包み、嬉しそうに懐かしそうに、そして恥ずかしそうに、“キャンスト”を披露。3年後、中居正広がプロデュースした『SMAP×FNS27時間テレビ』(2014年・フジテレビ系)のノンストップライブのセットリストにも組み込まれた。
中居が号泣した「BEST FRIEND」、SMAPストーリーの要所で
応援ソング、メッセージソング、友情を歌った曲などが溢れる現在だが、次々とヒットソングが生まれていた90年代、そのほとんどはラブソングだった。応援ソングはともかくとして、友情や人類愛を押し付けがましくなく歌えるのは、男性アイドルグループの特権だったのかもしれないと今になって思う。“キャンスト”や“ベスフレ”がなかったら、「世界に一つだけの花」は生まれなかったに違いない。