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続編が好調の秋ドラマ 要因は心地良い“マンネリ感”にあり
1話完結の“水戸黄門”的な展開を望む視聴者
ここ数年を振り返ってみても、2014年に続編が放送された木村拓哉主演の『HERO』(フジテレビ系)は全話の平均視聴率が20%超えを記録したし、杏主演の『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)、土曜ワイドから連ドラ化した草なぎ剛主演の『スペシャリスト』なども初回から最終話まで平均視聴率10%以上の安定した推移となっている。もちろん、続編が作られたり、シリーズ化すること自体、“安定した視聴率が見込める”人気作であることが前提で、「視聴率が良いのは当たり前」と思う人も多いかもしれない。しかし、これらの作品を見ていくと、いくつか共通点が見えてくる。
「まずは、基本的には“1話完結型”の作品が多いこと。これは近年の連ドラヒットの傾向のひとつでもあるのですが、全話を通してテーマはあれど、基本的には1話の間に何か事件などが起こって、それを1話内で解決します。生活スタイルの変化でドラマの継続視聴が難しくなっているといわれる中で、見逃してしまったり、途中から見たりしても楽しめるので、右肩上がりになることも多いです。そしてその1話完結型の作品に多いのが、「決め台詞」など、いわゆる『水戸黄門』的な“お約束感”でしょう。例えば、『ドクターX』であれば、米倉さん演じる大門の「いたしません」「私、失敗しないので」という台詞を心待ちにしている方は多いと思います。歌舞伎のような「待ってましたー!」感が心地いいのです」(ドラマ制作会社 スタッフ)
マンネリでもブレない“王道”を突き進んでいるからこそ安定した人気を獲得
続編ドラマにしても奇抜な展開に頼らず、心地よいマンネリ感を与える“王道”を丁寧に作り込んでいることが安心感につながり、「やっぱり面白い」という評価につながるのだろう。たびたび続編の話題があがる人気ドラマは多いが、続編を制作するからといって、流行などに乗ることはせず、視聴者が望んでいる“王道”を突き進んでほしいもの。心地良いマンネリ感こそが、人気シリーズのヒットの秘訣なのだ。