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ORICON NEWS
TVアニメ『逆転裁判』 梶裕貴&玉木雅士インタビュー
役作りで実際の裁判を傍聴
梶裕貴 僕はもともとゲームユーザーの一人だったので、アニメ化を聞いた時、とてもうれしい気持ちになりました。 どこか“記念受験”のような思いで、オーディションを受けさせていただいたのですが、結果的に成歩堂役に決めていただけたのはとてもうれしかったです。ですが、その分プレッシャーや責任も感じています。
玉木雅士 実は、僕自身オーディションに合格したのが今回初めてなんです。決まった時は単純にうれしくてプレッシャーは感じなかったのですが、それから初めてゲームをプレイし、『逆転裁判』をどんどん知っていく中で、ポタポタとコップに水が溜まっていくように重圧が増していきました。
梶 実際の裁判を傍聴しに行きました。裁判がどのように行われて、弁護士や検事の方がどういった緊張感の中でその場に立たれているのかを体感しておきたいと思って。
玉木 僕も傍聴しました。役作りは何から始めていいのか分からなかったので、得られる情報は何でも得ようと思い、他にも『逆転裁判』の舞台や実写映画を観て、頭に感覚をインプットしてアフレコに臨みました。
梶 僕も映画を観ました。あと、いわゆる「法廷モノ」といわれる裁判を扱った映画やドラマも確認しておこうと思って、メジャーな作品をいくつか拝見しました。
梶 実際に演じてみて、思った以上にエンターテインメントな作品になるなと感じましたね。法廷にいる人たちとは到底思えないような濃すぎるキャラクターばかり出てきますが(笑)、『逆転裁判』という前提があると自然と受け入れられる。それはアニメーションになっても違和感はありませんね。すごくシリアスな場面でギャグが突然入ったり、作品の持つにぎやかな感じを自分たちが楽しんで演じることが、原作の良さを引き出す一つのやり方かな、と感じています。
梶 アニメならではの面白さもありつつ、ゲームの良さもキープしている。音楽に関しても、ゲームファンの方はグッと胸が熱くなるのは間違いないです。
玉木 憎い演出ですよね! 監督さんやスタッフさんがゲームファンの心理をよくわかっていると感じています。
戦闘アニメよりパワーが必要
玉木 バトルものと違って「うわぁ!」とか思いっきり叫ぶわけではないのですが、ものすごい力を入れているというか、アフレコが終わった後の疲労感がすごい(笑)。緊張感も加わっているからだと思うのですが…。
梶 本当にそう! ヘタすると、バトル作品よりも体力を消耗しているかもしません(笑)。特に成歩堂は新人弁護士なので、常に全力。法廷シーンでは距離感に関係なく声を張り上げているので、いつも以上にきますね。
――体は戦っていなくても、ある意味戦っていますからね。
梶 あと、文章量がハンパないんです。専門用語というよりも、法廷シーンでの状況説明、尋問シーンでの独特な言い回しに加えて、すごく丁寧なしゃべり方をするので、一つひとつのせりふがどうしても難しくなることが多くなりますね。キャスト全員、自分の役に必死にくらいついている状況です。
玉木 僕も演じるキャラクターが検事なので、必ず冒頭陳述をします。さらに御剣は勝つまでのシナリオが自分の中で出来上がっているんです。そのプランには相手を陥れる戦術も含まれているので、考慮した演技は大変です。
梶 ある意味では、もはやバトル作品。「法廷バトルアニメ」ですね!
(C)CAPCOM/読売テレビ・A-1 Pictures