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ORICON NEWS
“ネコノミクス”がメディアを席巻 空前の猫ブーム到来のワケとは?
ネコノミクスの経済効果は1年間で2兆3162億円
CMでも、Y!mobileの「ふてネコ」シリーズや、YKK APの窓シリーズに出てくるマッサージする猫、今年のライザップの「でぶネコ」からYouTubeで流れるジャパンネット銀行の猫だらけのCMなど、猫好きにはたまらないCMが増え続け、ここ1年で猫のCMは1.5倍になっているという。実際、猫関係グッズの売上などの経済的影響もうなぎ昇りで、2月5日に関西大学名誉教授・宮本勝浩氏が発表したレポート「ネコノミクスの経済効果」の試算によると、2015年の1年間でその金額は2兆3162億円にものぼるというのである。
またコンテンツのみならず、最近ではテレビで猫を飼っていることを公言する芸能人も多く、猫好き芸能人第一人者の爆笑問題・田中裕二をはじめ、北川景子、ローラ、前田敦子、指原莉乃、TOKIO・長瀬智也、チュートリアル・徳井義実など、錚々たるメンツが猫への愛を語り、SNSで猫自慢を繰り広げている。
遂に王者の座に君臨か? 猫が国民的ペットに
「10年ほど前の犬ブームのときは、団塊世代夫婦が定年を迎え、子どもも自立して寂しいから犬を飼う、といったわかりやすい図式がありました。ただ10年経てば飼い主も高齢化するし、犬だって歳をとって寿命を迎えます。ペットの犬が減るのは自然な流れなんです。愛犬の散歩にしても、当初はいい運動でも年齢とともに負担になる。一方の猫は散歩する必要はないし、実は犬よりトイレが上手でキレイ好き。世話も少なくてすむし、単身でも飼いやすいんですね。そういった点も今の猫ブームにつながってるのではないでしょうか」(ペット専門誌編集者)
そもそも日本人は昔から猫好きである。「猫かぶり」「猫かわいがり」「猫なで声」など、猫が付く言葉や表現は多数あり、江戸時代の浮世絵にも猫が登場している。「招き猫」は現代でも縁起物として親しまれているし、日本発の国民的マスコット、「ハローキティ」や「ドラえもん」もやはり猫なのである。
爆発的な猫ブームは現代日本社会の写し鏡?
「かつての“なべねこ”のように、ブログやSNSから発信された猫が人気となって写真集まで出るというのは、もはや定番です。猫は自分勝手で気まぐれ。飼い主に媚びないけど、ときどき甘えてくる。そしてまたツンとしてどっかへ行ってしまう…という小悪魔っぽさが人気の秘密。他の動物に比べて自立した様子も、“好きなときに好きなだけ”という現代人の思考にあってるのかもしれません。そういった意味では、SNSで自己発信している人たち、自分は人とはちょっと違うとアピールしている人たちと似てると言えなくもない(笑)。SNSと猫って親和性が高いんでしょうね」(前出・編集者)
やはり今の猫ブームの背景にはSNSの普及があるようだ。熱狂的な猫好きたちがSNSを通じて様々なコンテンツを発信し活動することが、結果的に猫ブームを牽引しているのである。また上記編集者も言うように、“好きなときに好きなものを好きなだけ”といったSNS社会に生きる現代人にとっては、猫の習性である自分勝手さ、気ままさ、自由奔放さは感覚的にもマッチするのかもしれない。そういう意味では、爆発的な猫ブームも現代日本社会の“写し鏡”のひとつなのかもしれない。