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ORICON NEWS
王者・日テレ、好調の裏にあるタレント発掘力
藤田ニコル、佐藤栞里……日テレ番組をきっかけにブレイク
例えば、モデルの佐藤栞里は『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』のコーナー「朝までハシゴの旅」で知名度を上げ、老若男女から愛される好感度の高いキャラクターとして、他局の番組でも引っ張りだこの存在。「ハシゴの旅」では2014年6月以来、計6回に渡って出演し、お酒が弱いながらも一般のお客さんから勧められると笑顔で楽しみ、モデルでありながらモリモリおいしそうに料理を食べるなど、飾らない素顔が浸透したことで、ブレイクに至った。同番組の東井文太プロデューサーからは「番組開始から20年、『笑コラ』から初めて番組発の人気者が誕生しました」と高評価。所ジョージとMCを務めていた関根麻里の産休によって、『笑コラ』のサブMCの後任に抜擢されるまでになった。
脈々と受け継がれる“素人イジリ”“無名タレント育成”のノウハウ
最近では『月曜から夜ふかし』で、知る人ぞ知る千葉のローカルスター・ジャガーを猛烈にプッシュし、『有吉反省会』では78歳のベテラン双子歌手・こまどり姉妹を「三戸なつめ」に変身させている。面白いと思ったら、矢継ぎ早に番組に出していくタイミングが絶妙。深夜で人気を確立した後、ゴールデンでも積極的に起用することで、ゆくゆくは安定的な人気へとつながっていくのだ。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの藤田ニコルのように、売れた後でも日テレに積極的に出演するという好循環を生み出している。
「日テレさんの場合、『このタレントは来る!』と決めたら、テレビ局全体でとことんプッシュするんです。そうすることで、契約を交わしているワケではないのに、暗黙の“独占権”を得られる。また仮にブレイクしたら、そのタレントにも所属事務所にも貸しを作れるので、“次”にも繋がる。非常に計算されたシステムだと思いますね」(テレビ誌ライター)
一方で、こうした手法は、ともすれば“囲い込み”や“ゴリ押し”といった、視聴者からマイナスイメージを持たれる危うさも秘めている。事実、ネットなどでは「この子、日テレばかり出てる」「最近ゴリ押しされてる子」といった批判的な意見も少なくない。また、特に局側が制限しておらずとも、タレント側が恩義を感じて他局の番組に出にくくなる、といった弊害も出てくるだろう。日テレをきっかけにブレイクしたタレントの本当の勝負は、“卒業後”にあるのかもしれない。
(文・長谷川朋子)